たそがれ
君とたそがれ時になっても一緒にいたい
人生のたそがれ時には君と手を繋いでいたい
君はこれでは少し不満かい?
私は一緒にいるだけで幸せだ
きっと明日も
きっと明日もお前の笑顔見に来るから
元気に待ってろよ
きっと明日も内緒でお菓子持ってくるからさ
2人で食べよう
そんなことを言った昨日の夜
お前は死んだ
体はもう既に冷たくなってきている
でもまだ生暖かい
生きているまだ生きている
そう自分に言い聞かせた
いつの間にかにか
あいつの葬儀も四十九日も終わっていた
ぼーっとしていると1日が終わっていく
涙はもう出ない
お前と最後に会った日から笑っていない
[きっと明日も]なんてお前がいないと考えられない
お前のいない明日なんかいらない
マンションの屋上ギリギリ
少し怖い
生きている証拠
上を見上げる
綺麗な星空
お前は星空が好きだった
少しひんやりした空気
病室を抜け出して遊んだ時の空気に似ている
明日はどんな自分だろうか
お前と笑えているだろうか
怖い
けれど
少し
[楽しみ]だ
午前零時
ひとつ深呼吸をして
風に乗った
通り雨
君は傘を貸してくれたね
通り雨だからすぐ止むのにね
ちょっとドキドキしちゃったよ
帰り道君のことで頭がいっぱいだったよ
傘を返そうと思って君のクラスに行ったよ
でも君の姿が見当たらない
風邪ひいちゃったのかな悪いことしちゃったな
今日も君はいない
噂で聞いたよ
君は病気だったんだね
通り雨の日倒れたんだって
良くなってよ絶対
君が死んだって
朝からずっとその話題だけが教室を飛び回っている
今日に限ってずっと奥の方まで青い空
どうしてだろう
目の前が滲んで見えない
雨は降ってないのに
君は通り雨みたいだね
君から借りた傘はいつかまた逢えたら返すね
だから今は私が持ってるね
大好きだよ
秋恋
紅葉を見つめている貴方様
葉を拾って無邪気な笑顔で私にくれましたね
いつからでしょうこんなに動悸がするようになったのは
秋の訪れと共に貴方様への思いが大きく抱えきれないくらい大きくなりました
あぁ、愛しい貴方様
私の思いに気づいているのでしょうか
この私の恋心はもう止まることが出来ないのです
いつか貴方様の笑顔をもっと近くでで見られるその時まで…
大事にしたい
君は窓際でウトウトしながら裁縫をしている
そんな君に僕は布団をかける
光が君を綺麗に照らしている
あぁ、こんなにも愛しい人だなんて数年前までは分からなかった
僕に大事な、とても大事な宝物ができた
僕は今、この瞬間、君を守り抜く、そう心に誓ったんだ