1/12/2024, 12:42:12 PM
#2『ずっとこのまま』
静かな寝息を立てる君の横顔が愛おしくて愛おしくて酷く憎い。
優しい筈の月明かりは僕らには眩しすぎた。
僕の想いは確かにここにあるのに、明日になれば君はまたあの腐りきった街に迷い込むのでしょう?
一人思い焦がれるこの壊れそうな夜に苛立ちを覚えるけれどどこか心地良い。
あぁでもきっと僕だけなんでしょう。
夜が明けてもずっとこのまま。
___なんてね、言わないよ。
1/11/2024, 2:02:53 PM
#1『寒さが身に染みて』
冬は嫌いではなかった。白い頬を赤く染めてマフラーに蹲る君が可愛らしかったから。
24時をさす長針を眺めそんなことを思い出していた。
君の笑顔がそこにあるだけで幸せだったはずなのに。
僕はこれ以上なにを求めようとしたのでしょうか。
君の心のかけらはすでに、少しもここにありはしなかったのに。
寒さがこれ程までに身に染みるのは、君の温かさをあの日よりずっと追いかけているからだろうね。馬鹿な僕。