9/23/2024, 11:46:45 PM
お題「ジャングルジム」
あ。女児だ。
おれが見知らぬ女児を見つめているとき、女児もまた不審者を見ているのだろう。ジャングルジムの上、ちょっと笑って手を振った。
お山の大将ってやつだな、まさに。久々に登ったが、夕日が綺麗だった。
さて、女児もきっとジャングルジムをしたいだろう。そろそろ降りよう、と思ったところまではよかったのだが。
「……」
ポールを掴んでいた手を見ると、サビと汗が混じった茶色だった。どうしよう。降りられない。ちょっと擦りむくだけとはわかっている。わかっちゃいるが、もし足を滑らせたらと思うと動けない。
「ええと……まずはそこに手を……」
一人でブツブツとやっているのを不審に思ったのか、じっと見ていた女児は走り出した。
もっとまずくなってくるぞ。だって今人来たら逃げられないんだもの。
「ち、ちょっと君!!」
「─そう。んでそこに足かけたらもう降りれるでしょ?」
9/23/2024, 3:02:22 AM
声が聞こえる。
「ん……」
上を見ると、知らない天井が目に飛び込んできた。
「え?」
横には、知らない男もいた。
「あ、ごめんね、起こしちゃった?」
嬉しそうに私の頭を撫でる変態から慌てて距離を取り、睨む。おおよそ30代後半くらいだろうか、体を起こして不思議そうに私を見つめている。
「だっ、誰ですか!」
「えぇ?傷つくなあ」