大切なモノが
消えてしまった。
さっきから
色々な人が
話したり
泣いたりしてるのに
何て言ってるか
よく聞き取れない。
カラダが
ふわふわしてる。
ごはんは
無理矢理食べたけど
味がしなかった。
油断したら
涙がこぼれて
そのまま
おかしくなりそう。
いよいよ
バスに乗って
移動する時間になってしまった。
窓の外は
色を亡くした世界
みたいだった。
#窓越しに見えるのは
年齢を重ねるにつれ
子供の頃
漫画で読んだ恋愛は
ただの幻想
でしかないんだと
実感していく。
何もしなければ
わたしには
恋人なんて出来なかったし
出逢ってすぐに
ドキドキする
ようなことはなかったし
気が合ったら
恋人になれる
わけでもなかった。
この糸が
誰と繋がっているのか
見えてたら
ラクだったのにな。
#赤い糸
忙し過ぎると
空を見上げることさえ
忘れてしまう。
ボロボロだったあの時も
今と同じように
貴重な
わたしの時間が
刻々と過ぎていってたこと
いつの間にか
忘れてた。
あの雲みたいに
ちっぽけな自分を
大きく見せようと
必死だった
愚かなわたし。
#入道雲
あなたと
一緒に過ごすのは
今年で
3回目。
さて
今年は
何をしよう?
よく
候補にあがるのは
避暑地か
バーベキューか
花火。
あ。
海もいいかも?
ほんとは
暑いし
日焼けしちゃうけど
あなたと
一緒なら
暑くても
日焼けしても
まぁいいや。
#夏
ここで頑張ることに
疲れてしまった。
給料は
良い方だと思う。
福利厚生だって
整っている。
はずなのに―――
体が重くて
もう何にも
したくない。
好きな日に休みたい。
早起きしたくない。
定時に帰りたい。
会議では今日も
ずっと誰かが責められている。
わたしもそのうち
ターゲットになっちゃうのかな。
あぁ、また休職者が増えてしまった。
その人の分の
仕事とシフトが増えていく。
明日また
早く出勤して終わらせなきゃ。
やっと休みだ!
どこかに行く元気もない。
あぁ、なんか連絡来た…。
もう
イヤだ。
どこか
遠くに行ってしまいたい。
#ここではないどこか