『溢れる気持ち』
足をバタバタ
拳をギュッと握って
体を小さく丸めてしまう
スゥーと息を吸う
吸って吸って吸って……十秒後
手足をバッと四方に伸ばし
体を仰け反らせて大きく叫ぶっ!!
「あぁぁーりぃぃーがぁぁーとぉぉーうぉぉぉおおお!!!」
肺の中の空気を全て吐き出せっ!!
「本当にぃぃー!みぃぃーんなっっ!」
溢れる気持ちを全て叫び出すんだっっ!!
「あぁぁーりぃぃーがぁぁーとぉぉーうぉぉぉおおお⤴︎︎︎(裏返り)!!!」
……スゥ〜……ハァ〜
「あー、スッキリした」
『Kiss』
あー、キスね?
良いよねキス、分かる分かる
なんかこう……ドキドキするよね?
そうそう、キュンキュンしちゃうよねー
うんうん、マジ分かるー
ん?……キスの経験?
そらもう、アレだよ……百万回はしたんじゃないかな?
……
…………なんか文句ある?!
『1000年先も』
今の時代ってなんか凄いですよね
こう、なんていうか……全体的に?
科学の発展だとか価値観の変動だとか、酔いそうなぐらいに新しいものが誕生してますよね
ぽんぽんぽんぽん
……なんかやばくないですか!
ここ十年ぐらいで、どれだけのものが変わったのでしょうか?
このまま変わり続けることは、私達にとって良い事なんですかね?……それとも悪いこと?
この人類社会の変化はまだ始まったばかりでしょうから、いま考えたところであまり意味が無い気もします
未来なんて誰にも分からないでしょうからね
この答え合わせが出来るのは、1000年先にはなりそうです
『勿忘草(わすれなぐさ)』
──勿忘草(わすれなぐさ)が咲いた
俺は善人では無い
主観的で
客観的で
普遍的な事実だ
──勿忘草(真実の愛)が散った
最小の犠牲で最大の幸福を求めた社会
その中で生きる誰が善人になり得る?
瞬間的な悲劇がなんだ
永続的な悲劇はなんだ?
本当は解っているくせに
白痴のふりをする奴等ばかり
──勿忘草(真実の友情)が散った
考える余地も無く
議論の必要も無い
馬鹿馬鹿しくて
馬鹿馬鹿しくて
ただただ
ただただ
つまらないだけの話
──勿忘草(私を忘れないで)を踏みにじった
『ブランコ』
……ブランコを見ていた
何時だってブランコは人気で
僕は乗ることが出来なかったんだ
"みんな"が交代交代しながら
楽しそうにブランコを漕いでいる
ぎぃこ、ぎぃこ、ぎぃこ
"みんな"に混ぜて貰えなかった僕は
地面に半分だけ埋まったタイヤに腰掛けて
その光景を冷めた目で見ていた
羨ましいとは言わなかった
別に乗りたくなんて無いと言った
傲慢だった
怠惰だった
狭窄だった
……ブランコを夢見ていた
何時だって愚か者は独りで
ブランコに乗ることが出来なかったんだ