ノーム

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1/13/2023, 1:49:10 PM

『夢を見てたい』


夢を見てたいとは思うけど
それではずっと幻のままだから

夢を現実にしてやった
自分の力で正夢にしてやったのだ

「どうだ凄いだろう!」

白シャツをジーンズにINした服装で
ステージの真ん中
スポットライトに照らされた私が言う

周りはスタンディングオベーション
拍手喝采の大盛り上がり!
ステージの両端からクラッカーが発射され
ヒューヒューという口笛が何処からともなく聞こえてくる

記者が駆け寄ってきて質問する

「どうしてそんな事が出来たんですか!?」

その質問が発された瞬間
今まで騒がしかった周りが
私の答えに期待するように静まり返る

だから私はその質問にこう応えたのだ

「そこに夢があるからさっ!」

その一瞬間後
爆発したように場が盛り上がった
踊り出す人までいる始末だ

この熱は……まだまだ冷めそうにない


…………なーんて夢を見ましたとさ

ちゃんちゃん♪

1/12/2023, 12:21:41 PM

『ずっとこのまま』


自分の心を取り出した
もう……ウンザリだった

こうして胸にはぽっかりと穴が空いた

私は両手で心を持ち上げて
徐々に徐々に力を抜いていく

あぁ、落ちる
心が零れ落ちる
私の心が

…………落ちた

落とした心は割れ物だったらしい
下に落ちた衝撃で少し欠けてしまっている

だからその心を……さらに砕くことにした

胸に穴を開けたまま、ただひたすらに足で踏みつける

踏みつけて
踏みつけて
踏みつける

裸足で踏みつけていたものだから足裏はすでに血だらけだ
ただその甲斐あって心は見るも無惨に粉々になっていた
その様相に満足した私はそこから背を向けて歩き出す

歩く度に真っ白な床へ足跡が着いていく
ペタリ、ペタリと
赤い赤い足跡だ

私が歩んだ軌跡だ
私が生きている証明だ

この足跡を見つけた誰かが
この足跡を追ってくれたなら
この胸の穴は無くなるのだろうか?

……まぁ、そもそも誰も追っては来てくれないだろう
当たり前じゃないか

私の足跡はこんなにも穢いのだから

1/11/2023, 9:22:01 PM

『寒さが身に染みて』


あの日あの時あの場所で
寒さがじわじわと染み入った
どれだけ暖かくなろうとも
染み跡だけは私に残る

洗濯は出来ない
漂白剤は使えない
隠す事すら覚束無い

あぁこの寒さ
身に染みて分かったろう?

1/10/2023, 6:35:07 PM

『20歳』


ピロリン

『成人式もう来てる?』

『いや、行ってないよ』既読

ピロリン

『いつくんの?』

『いや、行かないよ』既読

ピロリン

『なんでやねんΣ\(゚Д゚;)』

『てへっ(´>∀<`)ゝ』既読

ピロリン

『……で、冗談抜きでいつくんの?』

『いや、だから行かないって』既読

ピロリン

『……マジで?』

『マジで』既読

ピロリン

『今どこにいんの?』

『今ちょうど電車に乗るとこ』既読

ブー

『どこに行くつもり!?』

『不動明王を拝みに行くの』既読

ブー

『不動明王!?成人式の日に不動明王!?誰と!?』

『一人』既読

ブー

『一人!?』

『そんなに言われると照れる(/ω\)』既読

ブー

『照れる要素どこよ?!』

~30分後~

ピロリン

『まさかの既読スルー!?腹立つ!』

1/9/2023, 1:10:49 PM

『三日月』


君が三日月だったから

私の心を突き刺した

君が半月だったなら

君が満月だったなら

こんなに深くは刺さらなかった

この傷が癒えるには

三日月《さんかげつ》はかかるだろう

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