『冬のはじまり』
──バチィン!!
ド派手に頬を叩かれた
親父にもぶたれたことないのに……
そんなくだらない事を考えている間に、彼女は家を出ていった
……後を追う気力も湧かない
ヒリヒリとする左頬を擦りながら、洗面所まで行き鏡をみる
なんとも鮮やかな紅葉が一枚、頬に描かれていた
はぁ……なんて溜息をしつつ、風呂に入ってさっさと布団に横になる
一晩寝れば気分もマシになるだろう──
────
──翌朝、寒くて寒くて目が覚めてしまった
仕方が無いので、寝惚け眼を擦りながら洗面所へ行き顔を洗う
部屋に明かりを入れるためカーテンを開けると、外では小粒ながらも確かに雪が降っていた
……通りで寒いわけだ
温かいコーヒーでも飲もうと、電気ケトルへ向かうその顔からは……既に紅葉は無くなっていた
『終わらせないで』
……いや、こっちとしても終わらせたくは無いんですよ?
でもしゃーないんです、どうしょうもないんですって。
あのね、終わらせるんじゃあ無いんですよ……終わらさせられるんですよ。
『終わらせないで』なんてこっちに言われてもね、正直困るんですよ。
何回でも言いますけどね、しゃーないんです。
終わらせたくは無いけど、しゃーないんです。
もうね、どうしょうもないんです。
……これで、終わりなんです。
『愛情』
皆が私を責める。
私の言動には愛情がないから、愛が故に責めるらしい。
……私にも愛情があれば、他人を責めても許されるのだろうか?
分からない、私には……解らない。
『微熱』
──ピピピッ
37.3
……あぁ、熱が下がったのか。
希望というウイルスに感染し
恋という病を患い
夢という症状がでた
……高熱だった
だが熱が下がった。
微熱はある、しかし──
この程度の熱では希望はもてない。
この程度の熱では恋もできない。
この程度の熱では夢をみれない。
熱が上がって欲しいと願う異常者な私は
健常とは言い難い身体を引き摺りながら
後遺症である微熱に延々と苛まれる
……この先も、きっと。
『落ちていく』
日が落ちる
穴に落ちる
眠りに落ちる
恋に落ちる
落ちていくものは色々あれど、その共通点は何だろうか?
落ちるという事はやはり、矢印は下向きに向かうもので……あー……そう!
詰まるところ……そういう事だろう
うん……アレ、えぇっと、アレだよアレ
……なんだっけ?
…………うーん、"落ち"つかないなぁ
なんちゃって!