夢が醒める前に
夜の河に小舟を浮かべ
あなたのもとへ
月の光がキラキラ
水面に揺れて
小舟もゆらゆら
流れ流され
暗い河は果てもなく
もう一度
あなたに逢いたい
恋心
せめて夢に出てきてと
熱い想いを
運びます
# 夢が醒める前に
君に逢う時の
胸の高鳴りは
いつも
何年経っても
毎回同じように
心に華やぎと
微笑みを
もたらしてくれた
その胸の高鳴りが
いまでは
ひとつの
優しい想い出となって
こんなふうに
懐かしむ日が来るなんて…
# 胸が高鳴る
ふと気付けば
コブシが咲き
ナズナが風に揺れている
いつの間にか
辺り一面
春
暖かい陽射しが
わたしを包み
青空が笑い
白い雲が手を振っている
季節が巡るように
人の気持ちも少しずつ
移ろっていく
いつまでも
同じ場所には留まれない
だから きっと
いつかは きっと
あなたがいない暮らしにも
慣れていけるはず
大丈夫
もう 泣かないよ
# 泣かないよ
あなたの隣で
ずっとずっと一緒に
同じ歳月を過ごしたかった
春の陽ざしのような
明るく温かな愛を
共に育みながら
月や花を愛で
静かに穏やかに
暮らしていたかった
そんなわたしの想いを
あなたは
さっさと一人で
天国へ持ち去って行った…
# ずっと隣で
あなたのことを
もっと知りたい
ではなく
もっと知りたかった と
過去形になってしまったことが
あまりにも寂しい
わたしはあなたを
どれだけ知っていたのでしょうか…
# もっと知りたい