君と眺めたあの夜の月は
斜めに傾いた上弦の月
その不安定ささえもが
美しく
愛しく思えて
胸が震えたのは
恋の魔法に
かかっていたから…?
あの夜以来
上弦の月を見る度に
「いまにも落ちそうな月だね」と
言った君の声が
耳の奥でリフレイン
# 月夜
見つけたの
街角の
お花屋さんで
スイトピーの花束
その淡いピンクの
花びらの中で
こっそりと
かくれんぼをしている
春のこどもたち
そっと頬を寄せると
クスクス
忍び笑いが聞こえそう
アネモネの車輪をつけた
白いチューリップの馬車で
あなたのもとへ
まっ先に
駆け込んでくるのは
いったい
どんな 春かしら?
☆ 春
大好きな君に
逢いたいよ
君の声が
聴きたいよ
君の温かな手を
ぎゅっと握りしめたいよ
君の瞳にボクが映って
ボクの瞳に君がいて
そんな時間が
もう一度欲しいよ
叶わない夢でも
見ていたいから
今日も
空の上の君に
呼び掛ける
# 大好きな君に
数年前に
「三月になったから」と
あのひとから贈られた
一体が手のひらサイズの
陶器の雛人形
素朴で温かな
陶器の優しい風合いに
あのひとの面影を
重ねながら
春の訪れを
感じながら
今年もまた
心豊かに
お雛様を飾ります
# ひなまつり
天国へと
あなたが旅立った日に
終止符が打たれた
わたしの恋
約束どおり
来世で
再び逢えるなら
待っていてくれるなら
あの日の終止符を
句読点に変えて
あなたと
この恋を成就させること
それが
現世のわたしの
たった1つの希望です
# たった1つの希望