陽だまりの
心地よい温かさは
まるで
君のようです
天国の君が
今日は
やわらかな陽射しとなって
わたしを
包んでくれているのですね
#太陽の下で(331)
セーターに
纏わる話しなんて
何もない
セーターに
特別な思い入れも
思い出も
何もない
強いて言うなら
黒のハイネックのセーターが
よく似合っていた
あのひとのことぐらいしか
思いつかない
だからね
まだ駄目なのよ
いまだに
わたしの頭の中は
あのひとに占領されているから
セーターでも
何でも
あのひとに結び付いてしまう…
# セーター (330)
今日もまた
落ちていく
あなたとの
想い出の世界に
微笑みと
涙の世界に
すでに
過去でしかない
不毛の地に
# 落ちていく (329)
わたし達は
夫婦には
ならないままだった
いつかずっと先では
結婚することになるだろうと
漠然と思うことはあっても
切望することはなかった
あのひとの気持ちを
確かめたこともなかった
ただ 一度だけ
あのひとの葬儀の日に
親族として
家族として
身内として
配偶者として
あのひとを見送ることが
出来なかった時に
夫婦だったなら と
悔やまれて
悔やまれて
仕方がなかった…
# 夫婦 (328)
あなたが逝って
もう何年も経ったのに
あなたへの想いは
少しも褪せることなく
乾くことのない涙と
しんしんと降ってくる寂しさに
ただ蹲るだけの不甲斐なさ
何を見ても何を聞いても
あなたへと飛び立つこころは
止めようもなくて
こんなわたしの様子には
きっとあなたは
困惑してるはず…
ねえ
次の扉を開けるには
どうすればいいの?
# どうすればいいの ? (327)