夕づつ

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10/30/2023, 12:14:56 PM


 
  あなたの笑顔
  あなたの横顔

  あなたの声
  あなたの瞳の輝き 

  あなたの掌の温もり
  あなたの大きな背中

  あなたの…
  あなたの…



  懷かしく思うのは
  すべて
  あなたのこと

  この世では
  もう二度と逢えない
  あなたのこと





       # 懷かしく思うこと(317)

10/29/2023, 11:06:34 AM



  わたしに
  もう一つの物語があるとしても
  きっとその内容は
  現在の物語と
  ほとんど変わらないでしょう


  どちらも主人公は
  あなたとわたし


  あなたと出会い
  あなたに恋をして
  あなたもわたしを
  愛してくれる

  幸せな日々の連なり



  ただ
  物語の最後だけは
  大きく違って
  この言葉で終わってほしい


  ふたりは末永く
  仲睦まじく
  幸せに暮らしましたとさ
  メデタシメデタシ





        # もう一つの物語 (316)

10/28/2023, 11:43:22 AM



  月明かりも届かないような
  暗がりの中で
  独り
  膝を抱えて蹲る
  


  私の前で立ち止まったり
  話し掛けたり
  手を差し伸べたりは
  しないでください

  あなたたちの
  優しさや温かさは
  十分にわかっています

  今はその優しさで
  知らぬふりして
  行き過ぎてくれませんか

 

  生きる事に疲れた
  身体と心を
  少しのあいだ
  休ませてください

  この暗がりの中でしか
  涙を零せる場所が
  ないのです

  今夜だけは
  気配を消して
  独りになりたいのです




         # 暗がりの中で (315)

10/28/2023, 12:43:15 AM



  窓から入る
  柔らかな日陽射しと
  微かな風

  テーブルには
  お気に入りの
  FAUCHONのアップルティー


  本棚に並ぶ
  世界文学全集から選んだのは
  トルストイの
  「アンナ・カレーニナ」

  シャーロット・ブロンテの
  「ジェーン・エア」か
  少し迷ったけれど

  学生時代に読んだのに
  どちらもストーリーを
  まるで憶えていなくて
  読み直し

  


  休日の午後

  独り時間は
  紅茶の香りの中で

  豊かに
  ゆっくりと
  過ぎてゆく





          # 紅茶の香り (314)

10/26/2023, 10:25:38 AM



  友達
  この曖昧な関係

  いつの間にか
  自然消滅していても
  気付かずにいて

  疎遠に…なんて
  よくある話




  友よ

  この曖昧な関係を
  お互いの人生の1ページに
  淡い淡い色彩で
  描き残そう


  年老いた日に
  ふと
  色褪せた昔を
  懷かしく思い起こすことも
  あるかも知れないのだから






            # 友達 (313)

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