夕づつ

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10/19/2023, 12:38:43 AM



  樹の葉たちは
  散りゆく日に向けて
  最後の化粧に余念がなく

  気の早い葉は
  既に舞い落ちて
  風に吹かれ
  道端へと運ばれている


  執拗に心に絡みつく
  あのひとへの想いも

  この落葉のように

  鮮やかに燃え尽き
  枯れ果て
  散ってしまえば良いのに と

  秋晴れの空を見上げながら

  深い溜め息をつく






           # 秋晴れ (307)

10/17/2023, 9:03:30 PM

 

  もう終わったこと

  戻り道も無ければ
  この先に交差点もない

  行き止まりの道を
  選んでしまった二人には
  未練は
  苦しみしか生み出さない



  解っている
  解っているのに


  いまも
  あのひとの面影は
  心に棲み続けている





  # 忘れたいのに忘れられない (306)

10/16/2023, 9:00:44 PM



  
  朝のやわらかな陽光を
  グラスに注いで
  一気に飲み干す


  少しずつ 少しずつ
  優しい気持ちが戻ってくる
  尖った気持ちが消えていく



  心が傷んだ時の
  わたしの特効薬






        # やわらかな光 (305)

10/15/2023, 9:46:24 PM



  がらんとした街並に
  落ち葉だけが舞う
  夕暮れ

  風の向こうから
  忍び寄る冬の足音

  この寒空に似合うのは
  祈りうたひとつ


  祈りうたは
  あのひとへの想いの
  安らかな眠りだけを願う
  わたしの恋の挽歌


  寒さに震える唇で
  呟くようにうたえば

  秋はいよいよ
  白さを増しながら
  季節を変えていく
 
 
  



 
         ☆ 祈りうた (304)

10/14/2023, 9:15:33 PM



  高く高く
  舞い上がれ
 
  わたしの想いよ


  風に乗り
  気流を捕まえ

  高く 高く
  空へ 空へ
  


  忘れないでと
  忘れないよと
  
  この想い

  あのひとのもとに
  届くまで





           # 高く高く(303)

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