裏返しにしても
何も書いていない
真白な紙を
一枚だけ
そんな手紙を
出してみたい
ー白紙に戻そうー
あの人は
読み取れるだろうか…
# さよならを言う前に (255)
# 裏返し
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あなたと眺めた
あの日の海は
今でも時々
心の奥で
波の音を立てて
優しく
時間を巻き戻す
# 海へ (254)
あなたを亡くして
ポキリと折れた翼にも
想い出は
しっかりと絡みつくから
軽やかに
飛び立つことなど
出来はしないけれど
せめて
少しでも空に近い
あなたに近い
木の上で
鳥のように
歌いたい
あなたのことを
忘れはしないと
歌いたい
# 鳥のように (253)
電話の
声の調子で判る
君の
その日の心模様
逢えない日が続くほど
心と耳は
敏感になっていく
☆ 電話 (252)
目覚めて直ぐに
カーテンを開け
窓を開ける
広がる青空に
真夏の太陽は
既に
熱く燃え始めている
駄目だ
こんなにも
晴れ晴れとした空では
泣きたいのに
泣けないじゃないか…
# 空模様 (251)
幼い頃から
執着心はあまり強くなかった
諦めるのも早かった
今泣いたカラスがもう笑ったと
よくからかわれた
いつまでも捨てられない
大切な物は
両親とあのひとの
形見の品だけで
それも最小限の数
死ぬ時には
何も持っていけないのだから
本当に大事なモノは
心に刻んでおけばいいという
この頃の心境
断捨離で
物欲も殆ど消えた
# いつまでも捨てられないもの(250)