雨は今にも降りそうなのに
なかなか降らなくて
この曖昧な梅雨空の下
わたしは泣きたいのに
泣けなくて
あのひとの
想い出ばかりが増えすぎて
あっちこっちで
足をとられて躓いて
ああ
きれいにさっぱりと
忘れてしまえるものならば
どんなに心は楽でしょう
「セロリって
インクの匂いがするから…」
そう言った
あのひとの台詞のせいで
今ではわたしも
セロリが食べられなくなりました
# あいまいな空 (175)
密やかに降る雨に抱かれて
色を増して咲くあじさいに
心惹かれるのは
亡くなった母の好きな花で
庭にも数本植えてあり
物心がついた頃から
ずっと目にしていた
馴染みの深い花だからでしょう
あじさいほど
雨が似合う花はないと
思い込んでいる私です
あじさいには
思い入れがありすぎて
今夜は
言葉が浮びません
# あじさい (174)
すきなものは
身の周りに
きらいなものは
そっと遠ざけて
でもね
最近思うの
きらいだったものでも
いつの間にか
すきになっていくものも
あるんだなって
すきだったものが
きらいになることも
もちろんあるしね
だから今では
すきときらいの線引は
かなり
いいかげん(良い加減)♡
# 好き嫌い(173)
✢ ✢ ✢ ✢ ✢ ✢
「おやすみ また明日」と
君は言う
信じられる明日が
あることの
幸せ
✩ 明日 (172)
赤信号も
渋滞も
神様からの
贈り物みたい
君に
送ってもらう
帰り道
# 街 (171)
ふたりで
お茶を飲んだり
食事をしたり
散歩したり
映画を見たり
そういう
ありふれた時間も
わたしたちには
特別な出来事
いつの日にか
普通の事になれば
良いね
日常茶飯事になると
良いのにね
# やりたいこと (170)