あなたを想いすぎたので
膨らませすぎて
みごとに割れてしまった
風船のように
ネジを巻きすぎて
ゼンマイが切れてしまった
オルゴールのように
水を掛けすぎて
寂しく枯らしてしまった
花のように
わたしのココロは
壊れてしまいました
あなたを想いすぎたので
夜は
眠るものだということも
忘れてしまいました
✩ 眠れない夜 (101)
喪失を怖れ
平安を護り抜く
そのために
傷つけない
傷つかない距離を
絶えず目測して
わたし達は
並んで
歩き続ける
大人という
分別の枠の中で
多分
これからもずっと
曖昧を
抱きしめながら
ふたりの時を
流していく
# これからもずっと (100)
解っているのに
だからいつも
気をつけているのに
同じようなところで
また躓く
心が萎縮する
思いっきり
一刀両断
切り捨ててしまえば
いいものを
✩ 弱さ (99)
誓いなど
何もない
約束なども
何もない
束縛は罪であり
裏切りの始まり
儚い夢も
見てはいけない
自衛のために
いつも
心のポケットには
サヨナラを忍ばせる
君の目を見つめると
淋しさも
虚しさも
苛立ちも
嘆きさえも
すべて受け入れて
今日の愛を
明日へと
繋いでいく
# 君の目を見つめると (98)
あなたがいなくなって
空っぽの寂しさと
空っぽの心地よさとが
仲良く手を繋ぎあう
だからボクは
今なら
この星空の下でなら
風になれる気がしたんだ
# 星空の下 (97)