小さな手が青白い腕を優しくつつむ。

私は耐えられなかった。

手を繋ぐ。

「さよならのときはじめてわらったんだよ。」

拝啓　君へ

忘れていました。

嫌いだったピーマンに味をつけてくれたこと。

好きだった映画がちょっぴりセピア色になったこと。

サーモンピンクの薔薇が咲いたから、これからは。

音がした。

昔の僕から一言メッセージ。

(2064年7月11日)

「いつまでも空と心を大切に。」

天の川か街の明かりか

二者択一の世界に

君は何を歌うのか

缶コーヒーを少し傾けた

あつい、あつい、あつい夜に

誰かが出会えたその夜に

喉に流れる天の川

ほろりと落ちる天の川。