いつか、そんな存在になりたかった。
誰かを照らしてあげられるようなそんな存在に。
それが難しいことは自分が一番わかってる。
だって、君は一人でも立って生けるし、足を踏み出せる。
結局のところ、照らされているのは僕の方だった。
君は太陽のような人だ。
あまりにも眩しすぎる。
気がつけば照らされていたのは僕の方で、近づき過ぎればきっと燃え尽きてしまうんだと思った。
だから僕はここで、君から溢れた光で誰かを照らしてみる。
君からもらった光で、誰かの暗闇をほんの少しだけ照らしてあげる。
僕の名前はねーー
随分と長いこと歩いてきた気がする。
途中からどれくらいの時間を過ごしたのか考えることは辞めてしまった。
考えてしまえば、
どれだけの時間を無駄にしたのか思い知らされてしまう気がした。
ひとりぶんの土を踏み締める足音が虚空へと飛び出しては消えてゆく。
一体、いつまでこうして歩けばいいのだろうか。
一体、いつまでこうして歩いていられるのだろうか。
最後にはどこに辿り着くのか。
どこを目指していたのだっただろうか。
伏せた視界に誰かの足跡が映り込む。
ふと、顔を上げれば見たことのある景色が広がっていた。
ーーああ、またここか。
気がつけば、一周回り帰ってきてしまったようだ。
足跡をなぞるように足を踏み出す。
またここから。
この場所から歩き始めよう。
ーー0から。
「同情なんかいらない」
そう言い放ったのは他でもない君だった。
「同情なんてされたって何も変わらない。
何一つ解決なんてしない。
わかったつもりになるだけで結局、いい方になんて向かうわけじゃない」
震える声音が、どれだけ傷ついてきたのかを物語っていた。
「でもさ、それでも、ひとりは寂しいよ」
だから、同情なんかじゃなく、寂しくないように僕が傍にいる。
乾いた風が体温と茶色に染まった葉を攫ってゆく。
駆け抜けてゆく風が、今年も冬を引き連れてこの街を訪れた。