私は彼に毎日、もしも〇〇したらどうする?って聞く。
無口な彼は話の話題を作るのが苦手だから。
いつの日か私たちの日課になっている。
今日は少し怖い質問をしてみた。
私 「ねー。もしも私が犯罪を犯したらどうする?」
彼 「えー犯罪にもよるよね。」
私 「殺人‼︎しないけどさ笑笑」
彼 「理由にも寄るかも!」
私 「まー正当防衛なら仕方ない場合もあるよね!笑」
彼 「そうそう!笑 でもな〜刑務所行ったら流石に別れるかも」
私 「だよね〜苦笑」
なんで聞いたんだろう。どんな理由であれ、別れるって言われた事が悲しい。
絶対離れないって保証なんてないんだなー。
殺人なんてそんなことしないけどさ、
そんなとりとめもない会話で少し傷ついたりする。
でも、私はまた聞いてしまう。
私 「ねー!じゃあ今度は〇〇だったら〜笑」
彼 「ほんとそれ好きだよね〜笑」
行かないで
ねぇ。僕のこと忘れてしまったの?
もう必要ないの?
毎日君のことを見守ってるよ。
いつも君の背中を任せてもらってた。
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しばらく関わりないけど
もう僕は必要無い?
最近よくその紺色のリュック背負ってるよね。
埃であんま良く目の前が見えないけど…。
僕は次いつ出番??
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あ、やあ!久しぶり
もしかしてついに僕の出番??
え、待って嘘だろ…
そんなことってある?
僕こんな形でさよならしたく無いよ。
こんな所に一人で…寂しいよ。
ランドセル。
どれくらい時が経っただろう。
あなたを失って
苦しくて苦しくてもう何も要らないって思った。
あなたがもう私の目の前には居ない。
その現実を受け入れたくなくて。
仕事も自分の身の回りのことも何もできなくて。
そんなハタチの自分も今はもう23。
仕事を変えて
作業着から着物を着る仕事に転職した。
クリーニングした新しい着物に袖を通す匂い。
草履を履いて玄関を出れば
私の背中を押してくれるように秋の風が吹いた
私は前を向いて歩いてます。