〜凍える指先〜
しまった。
こんなに寒いなんて想定外だ。
寒さ対策の準備もせずに、
走り出してしまった。
しかし、
このままではハンドル操作に支障が出る。
どこかで買わねば。
信号待ちのたび、
凍える指先をジーンズで擦って必死に温める。
まさか——グローブに穴が空いていたなんて。
〜雪原の先へ〜
同僚と金曜の夜に出発し、
早朝に到着。
これがいつもの日程。
駐車場には、既に何台かの車が停まっていて、
それぞれが準備を進めている。
ワックスももう塗ってあるし、
あとは寒さ対策だけしっかりしておけばいい。
早々にリフトへ乗り込み、
辿り着いた頂上。
まだ雪面には、動物たちの足跡が残っていた。
——この足跡の向かう先を、そっと追いかけるように。
今日もまた、雪原の先へ踏み出していく。
〜白い吐息〜
粉雪が降る日。
積もれば交通マヒになりそうだし、今日は少し早めに家を出た。
約束まではまだ時間がある。
せっかくだから、街をブラブラと歩きながら店をのぞいてみる。
どこも、すっかりクリスマス商戦の真っ最中だ。
見ているだけでも、なんだかワクワクしてくる。
──おっと、もうこんな時間か。
待ち合わせ場所へ向かわなくちゃ。
凍える指先にそっと息を当てながら、
君が来るのを静かに待つ。
白い吐息が消えるたびに、
君に会える瞬間が近づいていく気がした。
〜消えない灯り〜
人と違っていいんだよ。
個性なんて、みんな違って当然さ。
人と同じだと安心する?
同じじゃないと仲間外れになる?
──そんなふうに思うとき、あるよね。
人間関係って複雑だもの。
何が正解かなんて、正直わからなくなる。
でもね、
ひとつだけ覚えておいてほしいことがあるんだ。
自分の中に、
「これだけは譲れない」という小さな芯を持っておくこと。
それはきっと、
迷ったときにあなたをそっと照らす、
消えない灯りになるから。
〜きらめく街並み〜
夕刻。
ふと思い立って、バイクで出掛けた。
目的地は——あそこにしよう。
徐々に暗さを帯びていく時間。
エンジンを唸らせながら、
坂道のワインディングを一気に駆け上がる。
やがて到着する。
近くの山の頂上。
展望台の下に広がるのは、
きらめく街並みと、漆黒の海。
あの光のひとつひとつに、
確かに“人”がいて、息づいている。
その光景は、いつも心を静かに落ち着かせてくれる。