勝ち負けなんて単純で好きだと思ってた。
まだ何十年も人生があるのに
もう戦いたくない。

やる気がないだけかもしれないけど、
もう傷つくのも傷つけるのもつらい。
今まではそれでも誰も見てないから、
傷ついていられた。
でも…もうそれもできない。

私は勝ち負けが好きだ。
ただ、それはお互いが対等にあり、
お互いに誇りを持って戦い、
勝敗が決まれば互いに肩を組む、
そんな御伽話のような戦いが好きだった。

私は負け続けてきた。
この世界で勝つということは、
もっと残酷なことなのだろう。
勝てる人は貪欲だ。
私もそう思っており、私自身貪欲だと思う。
ただ、それ以上に戦うことが嫌になった。
戦いで失うものが得るものよりも多くなった。
だから、戦いたくない。

人生はまだまだ続く
正直もう見たくない
でも見ないでいると
悲しむ人がいるから
見なくちゃいけない
楽しく見なくちゃね
まだまだ続く物語を

どっかいっちゃえ！

君を抱きしめて放さなくなっちゃう前に

私が恋したのは旅する君の翼

さらさらの砂浜を久しぶりに裸足で歩いた。

指の隙間に砂が入り込む感覚が楽しい。

目の前には真っ黒い海と、静かに輝く星空。

砂はさらさら、海はちゃぷちゃぷ、
星はどんなだろう。
やっぱりさらさらしてるのかなぁ。
それともとげとげしてるのかなぁ。

「これが最後の食糧だ…」



「いいのか…俺が…？」




目の前にはレモンの絵が描かれた缶詰が置かれた。




「それじゃあ、行ってくる…」

「行くって、どこへさ！？」




「ちょっと近くをさ…」




ある夏の暑い日、男は灼熱の地獄に繰り出した。





10分後、涼しい部屋の中で、
二人仲良く酒盛りしてる姿がありましたとさ。
無人島ごっこは飽きちゃったみたいです。