未だ早い宵の頃
陽がその姿を隠し、
薄暗い世界の中に
小さな輝きを見つける
月と星が踊る夜
その小さな輝きひとつひとつに
大きな物語を見つける
あれは、私の。
今日も何気ない1日だったが、
こうしてちゃんと生きている。
あれは、今朝すれ違った人の。
あの後どんな時間を過ごしたろうか、
良い日になったならよかったな。
あれは、疎遠になった知人の。
あの時のことはまだ許していないけれど、
元気にしているならいい。
あれは、君の。
大切な、とても大切な人の輝き
今も昔も、そしてこの先もずっと
そこで灯り続けてほしい
願わくば、
君と私の輝きがひとつになって
今よりもっと
大きな輝きになればいい
消えることの無い輝きを
生涯、灯し続けられますように
────────────────── 街の明かり。
君と最後に会った日が
いつまでも
いつまでも
今日でありますようにと願う
できることなら
死がふたりを分かつまで
永遠に
永遠に
じゃあわたしが先に魂になったら
毎日君の前に化けて出よう
君は悪戯っぽく笑う
お化けは怖いなあ
でも、悪くないなあ
わたしだって
もしわたしが先だったら
同じようにするだろう
それは即ち
君と最後に会った日が
永遠に
永遠に
今日であるということだ
いつまでも
いつまでも
二人の日々が続きますように
________君と最後に会った日。
蛙の声は
雨乞いの歌
濃い靄が山を覆って
灰色の世界
晴れ間を探して
歩いてみても
憂鬱になってしまいそうだ
光が見たい
鮮やかな色彩が見たい
青と紫
目立たない色
普段なら埋もれてしまいそうな
その2色に
心を奪われる
赤のような情熱は無い
黄のように鮮やかでも無い
緑のような温かさも無い
ただ儚く、凛とした2色
灰色の世界
だからこそ輝く
「悪くないな」
可愛い雨傘を買いに行こう
お洒落な雨靴を履いて出掛けよう
ただそこに在る
美しい色彩に出逢うために
──────────────────あじさい
わたしは幸せ者で、毎日が「好き」で溢れている。
仕事に行くためにだるい、眠い、と言いながら起きて浴びる朝日の光も、好き。
お休みの日に昼まで寝て過ごして、あーあまた無駄にしたな、って気持ちで食べる遅い昼ごはんも、好き。
眠たいのになんか勿体なくてなかなかベッドに行けない夜も、好き。
きっと、それらを「嫌い」な人は沢山いると思う。
でも、わたしは「好き」。
だってどんな時を過ごしても、その一瞬一瞬はわたしの大切な人生だから。
せっかく今日も自分なりに頑張って生きているのだから、「嫌い」だなんて勿体ない。
誰にも褒められなくても、全然報われなくても、ただその瞬間を「好き」って思えたら、きっとずっと頑張れる。
ああもう嫌い、って思わず言いそうになる場面でも、いや待てよ、ってほんの数瞬だけタンマ使って
「好き」に変換していきたい。
馬鹿げているし、利己的すぎるかもしれない。
でも、気持ちのもち方ひとつで見える世界は変わる。
わたしだけの「好き」で溢れた毎日は、間違いなく誰のものよりも幸せで素晴らしい私の人生になる。