きっと明日も
ダイエットは明日から
って大好きなスイーツを食べて
きっと明日も
ダイエットは明日から
って言ってしまう
世の中には美味しそうなものがたくさんありすぎるの。
静寂に包まれた部屋
ああ、これは。
戸を引いた瞬間流れた空気に目を伏せる。
これは、だめだ。
ただただ広いだけの、物が何も置かれていない畳10畳の部屋にそれは横たわっていた。
円く開けられた飾り窓から、ポッカリと空に浮かぶ月を覗いているかのようだった。
見えるものだけを見ればいつもと同じで、ただ、どうしても感じられてしまう異常な静けさだけがいつもと違うことをあまりにも明確に知らせてくる。
部屋には生気がなかった。
いつも微かながらに温かく迎えてくれるほんのりとした熱が、今やしんとした鋭く冷たく突き刺さるような冷気に侵されてしまっている。
その冷たさは駆け寄ってその身を揺らす気さえ起こさせなかった。
部屋の主はもう何をしても起きないことが明らかだ。
円い窓から闇を見上げれば予想通り欠けた月が見えた。
冷たい部屋の中でようやく生温い感触が手をつたうと、何もかもが静寂に溶けていくような気がした。
部屋には音がない。
風の音息の音鼓動の音さえも今はもう、聞こえない。
通り雨
とつぜんの
とおりあめに
きみのてを
にぎり
はしりだして
………
くれるひとがいない
かさのないひは
なみだもあせもけしょうもなにもかも
ながれてしまえばいい
秋🍁
奥山にもみぢ踏み分け鳴く鹿の
声聞くときぞ秋は悲しき
紅葉が絨毯を散り敷いた山の中
つがいを慕って鳴く雄鹿の声が
まるであなたを恋う心のようで
静けさに寂しさが積もるのです
声が聞こえる
だれかが鈴をつけたらだめって言ってた
そういうもんかと思いながらうっかり鈴をつけた
りぃんりんと鳴る度に
きみは抜き足差し足魚を狙ってたっけ
あれから何年経っただろう
鈴をつけたらだめだって言葉の意味がわかるまで
ちゃんとわかるまで
きみが居なくなることなんて考えもしなかった
だってきみはあんなに小さくて
鈴をつけていないとどこにいるかもわからないくらいだったんだ
鈴の音が聞こえなくなって
どれくらい経っただろう
風に吹かれた鈴の音がするたび振り向いてしまうんだ
きみがまた甘えて擦り寄ってきてくれるんじゃないかと
期待してしまうんだ