好きじゃないのに
目で追う私は何だろう
気にならないが
気になる私はなんだろう
なんだか好きのような
なんだか憎いような
なんだか気になるような
なんだか嫌いなような
好きじゃないのに
緊張する私は何なんだろう
気にならないが
胸が高鳴る私は何だろう
過去のことを未だに怖がり
自分の罪を過剰に怖がり
起きぬことを怖がり
何にでも怯える人
全ては自分の罪から生えるもの
自分の罪をどうやって駆除すればいいのか
根っこのように強く張り巡らされた罪はしぶとく
引っこ抜いたとて多少なりとも残りまた生える
怖がりとは要らぬことまで想像する
だから怖がりなのではないのか
シルクを着た君の
寝顔がなんとも美しい
青白く艶のある肌の
きめ細かさが羨ましい
花に囲まれ笑う君が
最も美しく思え
面紗が波打つ
水面の乱反射
光の海
シルクを着た君の
髪がなんとも美しい
長くて細かいまつ毛の
儚いその手が羨ましい
横たわり眠る君が
最も美しく思える
(面紗 めんしゃ)
ずっと隣をゐた私は一体何故離れたのだろうか
隣をゐた癖して離れることは無い筈なのに
彼が離れたのかもしれない。やむを得なかった。
そういう予定であった。
長引くだなんて甘いような考えはしないでおくべきであった。2人は愛し合ってゐた?
2人は離れ離れになった。
最後は行ってきますで終えた。
やむを得なかったんだ。
またいつか会おうだなんて
甘いような考えはしないでおくべきであった。
また会えたらだなんて
たまにはご褒美もいいだろう。
休まずずっと勉学に熱を入れていたから。
子供の頃食べたあの飴玉を思い出す。
母にこう強請った「たまには飴を食べたい」。
すると母は呆れたように飴を買ってくれた。
縁側で飴を頬張れば「ふふふ」と笑った。
舌でカラコロ転がすと甘く美味しく。
たまには噛んだこともあった。
そうだ飴を食べよう。
あの頃を思い出すようにして、飴を食べよう。
たまにのご褒美だ。
あの飴を食べようか。