澄んだ瞳
「澄んだ瞳発売中!」私は貯めたお金を握りしめ購入した。憧れのアイドルの子みたいな澄んだ瞳。鏡を見る度に嬉しくなる。キラキラキラキラどこから見ても綺麗。帰り道人にぶつかった。すごく怒られた。けど、相手は逃げちゃった。やっぱり「澄んだ瞳」のおかげだな。笑った時も、泣いた時も、怒ってる時もずーっとキラキラな瞳。これで上司に怒られても、同期に悪口言われても大丈夫。ずっとずっと瞳のキラキラは絶えないから。
嵐が来ようとも
嵐が来ようとも私の日常は変わらない。毎日のルーティンを繰り返すだけ。外の嵐なんて気にしない。気にしないというか、嵐が来たことは知ってるけど、把握しただけ。ぬくぬくとした家の中で過ごすだけ。これでいい。けれど嵐が来た時に進んで外の人を助けようとする人を見ると心は揺らぐ。私はこのままでいいのかな、、、
お祭り
お祭りって不思議。時代はどんどん進んでいくのに、お祭りはずっと変わらない。小さい頃に見た景色が1年に1度やってくる。懐かしさと安心感。けれど、お祭りに行く私の方はどんどん変わっていく。お祭りを楽しむ心をいつまでも持っていたい。
神様が舞い降りてきて、こう言った
神様が舞い降りてきて、こう言った。「この世界はもうすぐ終わりを迎えます。あなたの大切なものと方舟に乗って新しい星に逃げなさい」と。私は何を連れていけばいいのか迷った。家族や友達を連れて行っても、まだ開拓されていないその地に行ってどうするのだ。家もお店もインフラも何も何も無いところでどうして行くのか。今のこの生活水準では無い世界に行くことが幸せなのか。もうこの地と共に終わりを迎えた方が幸せなのかもしれない。私たちはもうこの世界から抜け出せない。抜け出そうともしない。クーラーの風を浴びながらそう感じた。
誰かのためになるならば
誰かのためになるならばと、私は小さな善行をする。もし本当に誰かのためになったなら、私の元に幸せは帰ってくると信じて。それは偽善?この世に純粋な善行なんてあるのかしら?そう思いながらゴミを拾った、好きな人の前で。