夕暮れ時の空の下
浜辺ではしゃぐ君の写真を撮る
シルエットの君は裸足で踊り
これからはじまる夜の闇に無邪気に抗う
【逆光 】
どこに行くあてもなく、ただ街を歩いた。
途中、花屋さんに立ち寄って花束を買った。
停留所で路面電車を待ち、僕は遠くを見つめる。
路面電車がやって来て、順番に乗り込み、ゆっくりと席に着く。
ちょっとだけ窓を開けたら、風が吹き込んできて隣に座っていたお婆さんの帽子が吹き飛んだ。
僕は慌てて窓を閉める。「すみませんでした。」
帽子を拾って手渡すと「いいのよ、ありがとう。」と言った。
「あの、よかったらこれ。」僕は花束をお婆さんに渡した。
「ありがとう。きれいね。」
渋滞する車を横目に、少しガタガタと揺れながら路面電車は進んでいく。
暖かい日差しが心地いい。
こんな夢を見た。
僕の平凡でつまらない毎日もまだ捨てたもんじゃないなぁって思えた。
「もしよかったら、このタイムマシーンに乗って、過去や未来へ行ってみませんか。」
「ごめんなさい、私あまりそういうの興味がなくって…あっそうだ、ドラえもんになら会ってみたいなぁ。」
1ヶ月前に左の親知らずが痛み出した。
歯医者に行くと「痛みが落ち着いたら抜きましょう。」と痛み止めと抗生物質をもらった。
えっ抜くのか… 仕方ないよな…
明日は予約の日だ
処方された薬は真面目に飲んだから、痛みはなくなった。 うーん…抜くのか…こわいんだけど…
眠れない…抜くのか…明日の朝キャンセルの電話しようかな…
クリスマスや年明けよりもドキドキするんだけど…
大好きなあの子との初デートの前夜よりも心臓飛び出しそうなんだけど…
どうしよう、眠れないんですけど…
僕の特別な夜が更けてゆく…
結婚式ではサムシングブルーすなわち『青いもの』は幸せを呼ぶ色とされるそうです。花嫁の純潔や清らかさを表す色でもあるとのこと。
青いシャンパンで乾杯をして
幸せになってねってお祝いをする。
飲みほしたグラスの底はキラキラしていて、まるで希望のヒカリのよう。
やがて海の底にも光は射し、空では青い鳥たちが歌うでしょう。