どこに行くあてもなく、ただ街を歩いた。
途中、花屋さんに立ち寄って花束を買った。
停留所で路面電車を待ち、僕は遠くを見つめる。
路面電車がやって来て、順番に乗り込み、ゆっくりと席に着く。
ちょっとだけ窓を開けたら、風が吹き込んできて隣に座っていたお婆さんの帽子が吹き飛んだ。
僕は慌てて窓を閉める。「すみませんでした。」
帽子を拾って手渡すと「いいのよ、ありがとう。」と言った。
「あの、よかったらこれ。」僕は花束をお婆さんに渡した。
「ありがとう。きれいね。」
渋滞する車を横目に、少しガタガタと揺れながら路面電車は進んでいく。
暖かい日差しが心地いい。
こんな夢を見た。
僕の平凡でつまらない毎日もまだ捨てたもんじゃないなぁって思えた。
1/23/2024, 2:38:46 PM