神様が舞い降りてきて、こう言った。
『生きろ』
私は1粒涙を零した。
私にとって『生きる』ということは、苦しいこと、悲しいこと、嬉しいこと、尊いこと。
生きてるだけで自分はえらいと思わなければ、
生きていけない。
この世界はとても厳しい。
空気が読めなければだめ。
優しくなくてはだめ。
泣いてはだめ。
怒ってもだめ。
死んでも、だめ。
『生きる』だけでとても尊いことのはずが
プラスアルファがなければ価値を見出してもらえない。
そんなこの世界が私はとても居心地が悪い。
消えたいとも思う。
でも神様は残酷だ。
こんな私に、『生きろ』なんて
簡単に言うんだから。
たまに思う。
今まで築き上げてきた自分じゃないものを
唐突に、探しに行きたくなるのだ。
それは、
海でも
山でも
都会でも
田舎でもあるかもしれない。
今も探している。
誰かなのか、
モノなのか、
気持ちなのか、
自分なのか、
ここではないどこか遠くに行ってみたい、
そう思ってしまう、自分がいる。
日常を放り投げて探しに行きたくなる、自分がいる。
まぁ、そんなこと、できなけれど。
きっと、あなたがいなければ。
違う人間だったのかもしれない。
違う道を歩いていたのかもしれない。
そもそも生まれてなんて来なかったかもしれない。
あなたがいなければ、
生きる理由なんて探さなかったかもしれない。
死にたいなんて思わなかったかもしれない。
あなたがいなければ、
ずっと未来への不安に怯えて過ごしていたかもしれない。
自分が愛されていることに、気づけなかったかもしれない。
あなたがいなければ、
"今"が当たり前じゃないと気づけなかったかもしれない。
"未来"は必ず来ないと気づけなかったかもしれない。
きっと、あなたがいたから。
こんなに苦しくて悲しくて辛くて怖い世界なんかに生きて
それでも、それでも
あなたに会えて、あなたが隣にいてくれるから
嬉しくて、
楽しくて、
愛おしくて、
幸せと、思えたんだ。
きっと、あなたがいたから。
"未来"
私は、生きているだろうか。
ふと今日、空を見上げた。
空にある雲は動かないで見てると結構動いてる。
そんな空を見てるといつもこう思う。
"あぁ また私生き急いでるな"
あの雲みたいに、ゆっくりとでも確実に
あの空みたいに、大きく綺麗な自分でありたい。
いつだって空は、
あいまいな自分を肯定してくれている気がする
変わらないものもある
変わるものだってたくさんある
変わらないものに執着してしまう私は、きっと
空にも執着している。
いつ見ても変わらずある空を私は、ほっとしながら眺める
私が、空が嫌いじゃない理由。