隠された真実
私しか知らない、隠された真実。
そんな綺麗な秘密、あったら良かったのにね。
私の知ってる隠された真実は、暗いものしかないから。
風鈴の音
風鈴の音が鳴った。
風鈴ってなんであんなに綺麗な音なんだろう。夏の空と、蝉の音と。風鈴が鳴ると一瞬時が止まったみたいに感じる。風鈴の音が、世界を止める。綺麗な世界で、綺麗な音で、世界を止めてしまう。みんなの耳に入って、みんなに夏を知らせる。
風鈴の音が鳴った。
私の動きは止まって、風鈴の音に聴き入った。
風鈴の綺麗さと似た、君を思い出した。
心だけ、逃避行
心だけ、逃避行をしたい。
身体は動かせないから。現実から逃がしてくれないから。心くらい、逃避行したい。
誰も気にしなくていい、自分がしたいように動いていい、そんな所に行って、空を飛んで、何も縛られずに世界を見下ろしたい。
川とか、ビルの上とか、山とか、自然でも、人工物でもいい。人の心を気にしなくていい、逃避行をしたい。
届いて...
届け。どこまでも。私の想いよ。どこまでも飛んで行け。私の願いが、あなたは大丈夫って言う願いが。その人のところまで届いて欲しい。
ずっと深くて暗い中にある君の心に、私の大丈夫が届いて欲しい。
届いて、、、
何処へでも。
あの日の景色
ずっと覚えている。あの日の景色。綺麗な景色なら良かったのに。私の中の、あの日の景色は地獄だった。
あの日。
思い出したくもない。
自分を否定された日。私の中の何かが間違いなく壊れた日。心配は度を超えると否定に変わるだなんて、あの人達は思わなかっただろうに。私が閉じ込められた、そんな日。動けなくて、逃げれなくて。その時の言葉も。匂いも。温度も。全てが鮮明に残っているあの日。
私のあの日の景色は地獄。もっといい景色なら良かったな。あの日の景色は、これから良いものに塗り変わるのだろうか。
「信じてるから。」
私があの日を思い出した時、私の心に刺さった言葉だった。