君と最後に会った日
おととしこの世からいなくなってしまった「君」
あの日は小雨が降ってたな。懐かしい集まりがあってさ、飲んだ帰り道一緒になってさ、二人で駅に向かって歩いたんだ。なに話したか覚えてないんだけどさ。
昔付き合ってたじゃない。別れたじゃない。気まずくて、すごい避けてた時期があったんだけど、あの日は私としてはフラットな感情で接することができて、なんとなくもう時効だなって思えたんだよな。普通に友人の一人に戻ったというか。
それから1年と3か月くらい経った頃、コロナ禍の初めての夏の終わりに、君はこの世からいなくなることを選んでしまったのだ。
今でも、あの時元気そうだったじゃん、と思うけど、
あーいつも寂しそうだったな、とも思う。
ふとした時に君のことを思い出すけど、どう頑張っても、何があってももう二度と会えないんだよね。
あの日が本当に最後になるなんて思ってなかった。
私だってさ、何もかも嫌になって、消えちゃいたくなる時あるけどさ。
自分がこと切れるまでのプロセスをリアルに想像すると、やめとこうと思うわけですよ。
君、それを実行してしまうってさ、なんでそんな悲しい覚悟を決めちゃうのよ。
それほどの強い気持ちがあるなら、なんだってできるじゃないか。
どんな思いでいたのよ。
そんなことを、際限なく考える夜がある。
ずっと、あの日から抜け出せないんだ。
繊細な花?うーん。花ってさ、なんも考えてないのにただ咲いてるだけで綺麗だよね。
花を見て繊細だとか、可憐だとか感じるのは我々人間の勝手であって
花はただ咲いて散っていく。
なんか、そんなふうに目の前のことだけを淡々とこなして生きていけたらなと思うわけですよ。
煩悩だらけですもん。あの子がうらやましいとか、将来どうしようとか、お金は、とか、色々。
どうしたら幸せそうに見えるかとか、LINEのアイコン変えようかなとか。
あぁ私は繊細な花にはなれないな…
あたりまえすぎる風景だけど、
雨の匂いが心地よかったり
木漏れ日があたたかかったり
花がきれいだったりすると
こんな日々も悪くないなと思うのである
その繰り返しだな
うんちオムツ取り替えて
手にちょこっとついてたのに、お気に入りのコート触っちゃった
取り替えた時床についちゃって、足で踏んじゃった
離乳食こぼされて、服とかタオルとか汚れちゃった
夫、整体行って帰り遅い。
ああもう。