君と最後に会った日
おととしこの世からいなくなってしまった「君」
あの日は小雨が降ってたな。懐かしい集まりがあってさ、飲んだ帰り道一緒になってさ、二人で駅に向かって歩いたんだ。なに話したか覚えてないんだけどさ。
昔付き合ってたじゃない。別れたじゃない。気まずくて、すごい避けてた時期があったんだけど、あの日は私としてはフラットな感情で接することができて、なんとなくもう時効だなって思えたんだよな。普通に友人の一人に戻ったというか。
それから1年と3か月くらい経った頃、コロナ禍の初めての夏の終わりに、君はこの世からいなくなることを選んでしまったのだ。
今でも、あの時元気そうだったじゃん、と思うけど、
あーいつも寂しそうだったな、とも思う。
ふとした時に君のことを思い出すけど、どう頑張っても、何があってももう二度と会えないんだよね。
あの日が本当に最後になるなんて思ってなかった。
私だってさ、何もかも嫌になって、消えちゃいたくなる時あるけどさ。
自分がこと切れるまでのプロセスをリアルに想像すると、やめとこうと思うわけですよ。
君、それを実行してしまうってさ、なんでそんな悲しい覚悟を決めちゃうのよ。
それほどの強い気持ちがあるなら、なんだってできるじゃないか。
どんな思いでいたのよ。
そんなことを、際限なく考える夜がある。
ずっと、あの日から抜け出せないんだ。
6/26/2022, 3:12:35 PM