詩栞堂―シカンドウ―

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5/14/2024, 9:24:58 AM



ヒトとして生きることはあまりにも難しくて

幾つもの善きを重ねた階も

赦すしかないこの罪の燃え尽きるまで
灰の降りしきる丘であの虹が見えるのを待っている



善悪(4/26お題)

5/13/2024, 8:30:24 AM

海の幸福を踊り
愛を歌えば泡となりて天へと昇る
海の祝福戴いて
愛を謳いて泡とともに天へと昇る

愛に溢れた天の上では
海の祝福呪いとなりて
その両脚で前へと進めど
その両脚で喜びを踊れど
最早遅しと海へと罷り
声にならぬ声を泡にのせて
届かぬ愛を叫ぶ。



愛を叫ぶ。(5/11お題)

5/10/2024, 8:35:44 AM

さようならには惜しいから
夢の中でもまた逢おう
孵らぬ卵を君にあげるから
ずっと温めていて

裏山に二人だけの秘密を埋めた

夢の中では惜しいから
まだ ここにいて欲しいと乞う
孵らぬ筈の卵から
ことりと音が聞こえた気がした



二人だけの秘密(5/3お題)

5/9/2024, 9:05:40 AM

夜の帷の向こう側
蛙の合唱
鹿の鳴く声
夜鳥の悲鳴
夜の黒絽の向こう側から
呼んでいる 行かなくちゃ
蛙の声も寝静まる頃
あの闇の向こう側へ
此処ではない何処かへ
行ける気がした

朝焼けに烏が呼んでいる



耳を澄ますと(5/4お題)

5/8/2024, 8:38:51 AM

また明日 また明日
眠るのも惜しい毎日が
別れの後
もう二度と会えぬのだと
これが恋しさなのだと泣いた
輝いていた毎日も
次の日からは味気なく
君が照らしていたのだと知った

別れの日
二度と会えぬ君に
ああ これが恋なのだと知った



初恋の日(お題)

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