夏といえば海。私は今、実家の田舎町にある海にいる。
そこには沢山の人がいた。夏休みだからだろう。
子供が海ではしゃぎ、
それを優しく見守る親。
友達とビーチバレーをして、
心の底から満ちた笑顔。
ああ、海はなんて平和なの。
こんなにも多くの人の想い出に
残っているのだから
海も幸せだろうな。
「千夏姉ちゃん、早う行くで」
「………」
「…姉ちゃん?」
「ああ、うん。今行く」
_2023.8.23「海へ」
嫌いなのは好きの裏返しって言うでしょ?でも私には日本の言葉遊びってよく分からないわ。
私の考えは嫌いな人は嫌いでいいのだけど、何故だか私はあなたしか嫌いじゃないのよね。早く消えてくれないかしら?
…ごめんなさい。少し言い過ぎたわ。
ほんとは大好きよ。
照れちゃって。そういうところが好き。
私はね、あなた以外の人間に興味が持てないの。持とうとしても、気持ちが悪くなる。
私にはあなただけしかいらないってことに気づいたわ。
…大丈夫よ、安心して。捕って喰べたりしないわ。
嘘よ、冗談。ふふ。
_2023.8.22「裏返し」
周りは俺のことを「かわいい〜♡」だとか「イケメンっ!!」だとか思っているらしい。感想は一つにしてくれ。
俺はいつか、空を飛ぶ。
鳥のようにな。…まあそう言うな。
…そりゃ今の体じゃ飛べないさ、解ってる。
俺は水中でも陸上でも暮らす、
天へ羽ばたく鳥類のうち、
"ペンギン"だからな。
_2023.8.21「鳥のように」
わたしの夢は、マークスとタピオカを飲みに行くこと。
え?もうちょいあるだろって?やだ、わたしにはこれでいいの。
(だってわたしは、一週間後に起きる大事件、平和ボケしてるアクシーとの戦いで死ぬから。)
「…マー、クス…」
わたしが視た未来の通りの末。わたしは震えながらでも声を絞り出した。
「タピオカ…、いっしょ、に…のみっ」
パンッ
彼女が撃たれた。鋭い音が鳴った。俺は棒立ちしたまんま。
早くしないと、動かなければ、と思考が急いだ。
眼の前の俺を睨む男。
俺は思考するのをやめた。
狼らしく、人間らしく。
「うああ"あああ!!」
_2023.8.20「さよならを言う前に」
お前を殺す。
今日の空模様は最悪だ。
なんで今日に限って…今日は親友の結婚式があるっていうのに。
…あーあーあーあー、雨強くなってきたな。
これじゃ外でやる予定だったブーケトス、中になるか中止かな。
いや、こんなこと考えるからお祝い気分も薄れて暗くなるんでしょ、考えるのやめた。
私には感情によってある程度の地域の天候を変えられる能力を持っている。何故だかは知らない。
例えば、泣いた時。外を見たら雨。
例えば、怒った時。外を見れば雷雨。
今日の結婚式だって、私の片想いの人、好きだった彼を奪った…と言えば言い方が悪いか。親友が選ばれて、私は悔しくて泣いている。
今日の親友の結婚式をぶち壊してしまったのは、私だ。
ごめんなさい。こんなことにするつもりじゃなかった。ごめんなさい、晴れて、晴れて、お祝いしなきゃ、___ちゃん。
_2023.8.19「空模様」