次は僕の当たり前が聞きたいの?…キミ、詮索はやめてよね。ほんとだったら金取るからな。
…まあ、さっき言った通りだよ。
依頼されたら殺しての繰り返し。
僕の当たり前、解った?
僕にとっての当たり前は"殺し"だよ。
こんな腐った世界に生まれて無けりゃさ。
"狂人"と謳われるであろう僕にとっての当たり前が、"普通"の人なキミと同じか、似てたのかもね?
まあ、そんなことあり得もしないし叶いもしない夢のまた夢、っていう願いなんだけどさ。
_2023.7.9「私の当たり前」
私の街には灯りがたくさんある
灯りといっても、それは生き物で、普段昼間は私たちと一緒に生活している
その生き物は、世間体では「こわい」と言われるもので、それに対して私は、なんの感情も抱いていなかった
だって、その生き物は、私の大切な、大切な家族だから
…え?"この世界"に住んでて、『ポケモン』を知らなかったの?
へえ、じゃあ教えてあげるよ
灯りと言われるポケモンはランプラーって言うんだ
ランプラーは死期が近い人を見つけると後をつけるんだ、だからみんなにはこわがられてる
私も、ランプラーのおかげで家族みんながなくなっちゃった一人だよ
でも、私の弟は、弟だけは、ランプラーに"なった"
一番最後に残った、最後の家族だから
私は大切に、大切にしているんだ
_2023.7.8.「街の明かり」
ポケモン知ってる人います…?
「まあ、いわゆる遠距離恋愛ってやつだよね。それで、うまくやっていけるのか心配になった?」
「…ん。」
「…そっかー。…でもそれって、そう考えるくらいにおれのこと大好きってことだよね!」
「っ…!」
一年前の今日、2022年7月7日にそう会話したっきり、彼と会ったことはない。
今、彼はどうしているのかな。
もしかして私のこと忘れちゃったかな。
彼は私のことを今でも好きなのかな。
今日は7月7日、七夕の日。織姫様と彦星様が年に一度だけ会える、特別な日だ。
私は、なんとなく、なんとなく、あの日彼と最後に話した場所へと向かった。
もしかしたら、もしかしたらいるかもしれない。そんな淡い思いに期待して、走った。
「…いない」
分かり切った結果だ。いや、頭では分かっていたのに、体が勝手に動いた。
「…ばかみたいだな、わたし」
私は微かに笑った。
_2023.7.7「七夕」
「これは友達の話なんだけどね」
そう言ってくるタイプは大抵自分のことだ。
「いやいや、本当に友達の話なんだってば」
…そうか。
「友達がさ、夏休みが終わると同時に、実家の方に引っ越しちゃうんだって」
……。
「その友達のお母さんがなくなったからってさ」
…あー、なるほど。
「自分にとって特別な存在が、いなくなっちゃうって、想像できないから、」
でも、会ったりくらいはするだろ?
「そう、考えたんだけど、遠さ的に無理なんだよね」
距離か。そうだなぁ。他校の友達に会えないしな。
_2023.7.6「友達の思い出」
ところどころ文が変ですね。
逆読みしてみてください。
星空、それは_?
「ねえ、星空って、綺麗なの?」
「うん。綺麗だよ。多分この世で一番。」
「へー。僕も外に出れたら見てみたいな」
「でもあなたは外には出られないよ。」
「知ってるよ。それに、自分だけ独り占めで見るわけでもないし」
「じゃあ誰と見るの?」
「ふふ。それは内緒」
「でもこれだけは言っておこうかな。僕と一緒に見る人は、僕のことが好きな人だよ」
「…それは、」
「御察しの通りさ。僕は外に出れたら、まずはあの子と一緒に星空を見る」
「…そう。素敵な夢ね。」
「僕はさ、星空は、この世の嫌なところが全部無くて、たくさんの光があって、『ああ、明日も頑張ろう』って思えるような空だと思うんだよね」
「そんな空は、大好きな人と見たいんだ」
星空、それは_。
_2023.7.5「星空」