白いコットン

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8/6/2025, 5:35:07 PM

親の『今度、またね』は、次もない、ってコト

友達の『 またね 』は、次の約束はしない、解散のコト

親友の『 またね 』は、電話するね、ってコト

一緒に生きていきたい人との『 またね 』は

『また行こう!約束ね 』ってコト 


                〈 またね 〉

8/5/2025, 12:38:48 PM

泡になれば あの空まで飛んで 行けるらしい

そして途中で割れると 中の魂だけが

その先へと 飛んで行く…


そっか、途中まで 道案内してくれるのね

それは助かります

綺麗な泡になって 貴方のいる世界へ


もう少し待っててね

          〈 泡になりたい 〉

8/4/2025, 10:24:06 AM

風鈴の音を聞きながら、縁側で静かに

椅子に揺られながら座っている。


背中に太陽の日差しを受けながら、日焼けした笑顔の

彼が ( ただいま…!) と玄関に立っている。

( お帰りなさい… ! おかえりなさい!)

彼に向かって走り寄る。。


チリ〜ン。。。

風鈴の音で、ふと気がつく。

あ… 何回目だろう、この夢…。


そろそろ夕ご飯の用意をと、台所へ行く。

ふと玄関の方から「 … … ぃま…」と声が聞こえた

ような気がした。誰か…来たのかしら? 行ってみる

が、誰もいない。

あ… 隙間風の音…? 


台所に戻り、料理の続きを始める。

しばらくすると「 ただいま… 」不意に耳元で声が。

驚いて振り返るが、やはり誰もいない。

疲れのせい? 気のせい… ? 何となく少し寂しく

手を動かす。


本当は、気のせいなんかじゃ… ないのかも、、



出征して、何年目かの夏だった。


              〈 ただいま、夏 〉

8/3/2025, 11:53:29 AM

君と飲もう、そう思いラムネを買ってきた。

君はこれが好き。

先に木の下で待っていると、小さく手を振りながら

少し山のような草の小道を、走りながらやってくる。

「これ、はい。」ラムネを渡すと、わあっ!と笑って

くれた。

トンッ! ってビー玉を落とす。

ひと口飲んだ君に、僕は言わなければと。

「来たんだ、これが。」

君の手が止まる。表情が消えた。


いったいどれ程の沈黙があったのか。

「 数日で行くことになる…」

「そう… … そっか、、うん…、、」

俯く横顔が青白く見えた。

「うん、、行ってくる。。大丈夫、必ず帰ってくる」



握り締めたラムネの水滴が、君の指を濡らしていた。

その水滴を流すように、光る水滴。


僕は赤紙を握りしめた。

もうラムネは冷たくはなかった。



          〈 ぬるい炭酸と無口な君 〉

8/2/2025, 5:16:02 PM

最後に届いた手紙 誰が出したのだろう

名前なんて 覚えていない

上官だったのか 同期だったのか

文面なんて 信じない

必ず戻ってくる、そう言っていた…

だから 待っています、 

この木の下で…

        〈 波にさらわれた手紙 〉

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