たまには
自分のことを責めすぎないで
自分のことを認めてあげて
自分のことを好きになってみよう
やってみたかったことに挑戦してみたり
1人で出かけてみたりしよう
そんな『たまに』を集めていけたら
私はきっと大人になれる
現在時刻は21時ぴったり。
(間に合った〜)
今日もめんどうなお風呂とドライヤーを無事に終えて、
ベッドにダイブ。先に寝ていた愛猫が迷惑そうな顔を向けてくる。
ベッドの足元に投げ出されていたタブレットに気がついて
ちゃんとミニテーブルに戻し、急いでYoutubeを開く。
「今日の配信も楽しみ〜」
「待ってました!!」
「わくわくっ」
すぐに表示されたコメントたちをさっと確認して、
ひとまず冷蔵庫に直行。
アイスかプリンか、それとも職場の方からいただいた
ドーナツを食べてしまおうか…。
少しの間考えて、プリンを手に取り冷蔵庫を閉める。バムッ
(ドーナツは明日のお楽しみだな)
小さなミニテーブルに
プリンとスプーンとタブレットが並んで準備OK!
お気に入りの毛布にくるまりながら、
ひえたプリンをひとくちほおばる。(うん、元気出る♪)
今日仕事であった嫌なことは、消えないけど、
プリンと毛布が上書きしてくれたような気がした。
「みんな〜!今日も1日お疲れ様〜!」
しばらくして配信者さんの元気な声が、
小さな部屋に響き渡った。
今日も私だけの至福の時間が始まる。
「このまま夜が明けなければいいのにねぇ」
つぶやいて、隣で寝ていた猫のはなをちょんと触った。
「やっぱりこの部屋から見る夜景は格別だねっ」
今日の夜はいつもの夜とはちょっと違う。
妹が遊びに来ているのだ。
「それ、あんたいつも言ってるよね。」
少し肌寒くなってきたこの季節。
私はキッチンで妹の好きなレモンティーを淹れている。
「うーん、なんか、この夜景見てると落ち着くんだよね。」
「ふーん。まあそれなら良かった。はいどうぞ〜。」
妹にカップをわたして隣のイスに座る。
私も自分のレモンティーをくぴりと飲む。
「また遊びに来ていいよ。仕事忙しくなければだけど。」
「ほんと?じゃあお言葉に甘えて〜」
そういえば、
最近ちゃんと夜景を見れていなかった気がする。
「また、ぷち贅沢飲み会しよっか。」
ぽつりと私がつぶやくと、
幸せそうにレモンティーをすする妹は、
うんっと可愛くうなずいてくれた。
ここらへんでいっか。
私は硬い石段に腰を下ろした。
さっきコンビニで買ってきた、好物のマヨコーンパンを
レジ袋から取り出す。
会社に行く前に、ここに寄るのが最近の私の日課だ。
朝ごはんのパンを食べながら見る海はきらきらしていて、
まだ眠たい私を起こして、やる気で満たしてくれる。
イヤホンをつけて、お気に入りの音楽を再生する。
よし。今日も頑張れそう。
私は書道を習っている。
書道教室から帰ってきたらすぐに
「今日も上手くできた!」
と言ってその日の作品を家族に見せる。
褒めてもらったとき、心が誇らしい気持ちで満たされて、
次もいい字を書きたいというやる気をくれて、
だから頑張って続けて来れたんだなと思った。