夢の中で深く眠っていたい。けれど、現実はそれを許してくれない。
目はどう足掻いても覚めてしまった。
現実世界に飽きを感じる今日この頃。
そんな時、一つの夢をみたのだ。
私が暗い空間にいて、真ん中で誰かが話しかけてくる夢を。
[現実世界は、つまらないですよね。辛いことも苦しいこともありますよね。それでも、私たちは生きます。なぜだと思います?]
[知らない……]
[知らないなどありません。現実世界を頑張って生きてる、あなただからこそ知っていることです。それに正解はありませんが、答えはあります。心の中に]
[心の、中に……]
[はい。あなたは生きる理由を見つけられる人だと思います。理由がなくても、あなたは一生懸命現実世界を歩んでいる。誇っていいんですよ]
その夢は、朝起きても鮮明に覚えていた。
私は学校に行く支度をし、今日という日を歩きだす。
頑張る勇気をもらったから。
俺は絶望に深く潜り込んでいた。
一時間ぐらいずっと泣いていた。
[泣かないで]
そう語りかけてくれた彼女はもういない。
いつか、誰かに泣かないでと優しく言える人間になりたい。
少し肌寒くなった。マフラーと手袋を常備しとかなければ凍えてしまいそうだ。
冬の始まりは悲しく感じる。もう一年が終わるのかと物思いに耽ってしまうからだ。
春も夏も秋も終わり、季節はもう冬。12月が訪れる。この一年ろくに何もしなかった。来年は、何か挑戦をして、良い年にしよう。
さあ、冬の始まりに君は何する?
お題[冬の始まり]
[お花さん!綺麗に咲いてね~!]
こんにちは!ルルは6歳です!
ルルは毎日花瓶にお水をあげています!
来日も来日もお水をあげ続けて、ついに大きくて綺麗なお花が咲きました!
そしたらお花さんの中から妖精さんがでてきて、
[愛情をたくさん与えてくれてありがとう。いつか、あなたも愛情を知るひがくるわ。それじゃあね]
愛情という意味がわからない言葉を言って、妖精さんは出ていきました。
それから、お花が急に枯れはじめて、ルルはすごく泣いたのを覚えています。
ルルは七歳になりました。
まだ愛情という意味は分かりません。その間、妖精さんの事は忘れないように、ずっと覚えておきます。それまで待っててね、妖精さん。
お題[愛情]
君をみていると、頭が熱を放ったかのような衝撃が訪れる。
いつもそれで微熱になるんだが。
保健室に足を赴き、扉をあけた。
[……海李?]
すると、目の前に、微熱の原因の少女が立っていた。
[なんで君しかいないの?]
[今日保健室の先生いないから、保健委員の私が務めているってわけ。鈴様に感謝しなさい!]
鈴は俺の顔を見てウインクした。
[ちょっとおでこかしてね……37度。微熱ね。ゆっくりベッドで休むといいわ!]
[わかった。ゆっくり休むよ]
[もう熱なんて出さないでね?]
鈴のその問いかけに頷くより先に、口から言葉が紡がれていた。
[きっと、君のせいでこれからも微熱を出すよ]
自分で言っていてとても恥ずかしくなった。
そしてだんだんと熱があがり、ついにはその場で倒れてしまった。
[海李!?]
海李をベッドに運び、鈴は独り言を呟く。
[さっきの言葉の意味……微熱がなくなったら聞かせてもらうんだからね]
お題[微熱]