君をみていると、頭が熱を放ったかのような衝撃が訪れる。
いつもそれで微熱になるんだが。
保健室に足を赴き、扉をあけた。
[……海李?]
すると、目の前に、微熱の原因の少女が立っていた。
[なんで君しかいないの?]
[今日保健室の先生いないから、保健委員の私が務めているってわけ。鈴様に感謝しなさい!]
鈴は俺の顔を見てウインクした。
[ちょっとおでこかしてね……37度。微熱ね。ゆっくりベッドで休むといいわ!]
[わかった。ゆっくり休むよ]
[もう熱なんて出さないでね?]
鈴のその問いかけに頷くより先に、口から言葉が紡がれていた。
[きっと、君のせいでこれからも微熱を出すよ]
自分で言っていてとても恥ずかしくなった。
そしてだんだんと熱があがり、ついにはその場で倒れてしまった。
[海李!?]
海李をベッドに運び、鈴は独り言を呟く。
[さっきの言葉の意味……微熱がなくなったら聞かせてもらうんだからね]
お題[微熱]
11/27/2023, 9:41:19 AM