「ごめんね」
いつものように彼に謝る。
付き合いたてはそんな感じじゃなかったのにな…と思いつつ今に至る。
「チッ…お前ほんとに無理、気分悪くしたから外行くわ」
彼はキレながら上着を持って出ていった。
「はぁ…」
ご飯を作って待ってても「頼んでないし」と言いながら部屋にこもる
勝手にスマホを触ったり言われたことをしていないと怒鳴られる
私をただの道具としてしか見ていない。
いつからだろう。
前は笑顔が多くて優しい人だったのに
もう私に冷めたよね?
完全に浮気…してるよね。。
今日も彼は安定に遅く帰ってくると確信した私はある人に連絡を入れた。
相手は幼なじみの遥人。
「今日予定ある、?」と送るとすぐ既読がつく。
すぐに「ないよ、飲みに行く?」と来た。
遥人はいつもそう。
私が辛くて悲しい時、察してくれて私が話すまで待ってくれていた。
きっと今回も…。
「うん場所は△△△でいい?」
遥「先行って待ってる。」
私は急いで支度をして、家を出た。
__________居酒屋。
「あっ、遥人」
声をかけるといつもの笑顔で私を見た。
遥「遅かったね、笑 さっ、何飲む?」
「うーん、、ビール」
遥「了解ー、俺焼き鳥も頼もうかな」
なんて些細のない会話なのに…彼とは違って居心地がいい。
安心する。
「遥人…私さー」
遥「彼氏さんとはどうなの?」
今日は珍しく自分から聞いてきた。
でもいつものにっこり笑顔のままで。
「そのことを話したかった。」
遥「噂でしか聞いてないけどさ、彼氏さん結構やばいみたいね」
なんともいえなかった。
遥「今日俺を呼んだのはさ、別れたくて相談乗って欲しかったんだよね?」
なんでわかるんだろう。
別れたいのに別れられない。これを世間では沼というもの。
私は彼に沼ってる。絶対に。
離れられない。でも離れたい。
こんなの矛盾してるのはわかってるけど…。
遥「沼るくらい彼のことが好きなんだね。」
「え、?なんでわかるの?」
遥「いつもの〇〇ならすぐに別れてるでしょ?あのクズ男。」
「…そうだね。 もうどうにも出来ない…」
遥「俺にしときなよ。」
遥人からいきなりそんな言葉が出ると思ってなくて目を見開いた。
遥「何その顔、笑笑
そんなクズ男別れて俺のとこ来なよ。」
今まで何度思って来たことだろう。
彼氏が遥人ならどんなに幸せだっただろうなと何度何度も…
「…」
遥「〇〇、俺は〇〇が傷つくことは1番耐えれない 」
「うん、」
改めて思った。
私が隣にいたいと思ったのは…遥人だ。
「じゃあ、今から彼に電話する」
遥「大丈夫、?」
「うん、会って話すと余計に…」
遥「そうか…」
スマホを取り出し彼の名前を探して通話ボタンを押す。
📱プルルル…
「…んだよ、なんの用?用がないなら電話すんな」
耳をすますと女の人の声が聞こえた。
深呼吸をして思ってることを言った。
「…浮気してるよね?」
「は?その根拠は?」
「何誤魔化そうとしてのよ、わかるに決まってんじゃん」
「私もう耐えれない…見て見ぬふりできない
別れよ。」
「今妄想アピールやめてくれる?笑笑笑」
「私好きな人いるから。 ごめんね 輝琉。」
彼の返事も聞かず通話を切った。
LINEで
家には帰りません。私のモノ全て捨てて貰ってもいい。と付け足しのように送る。
久々に彼の名前を言った気がする。
輝琉…今までありがと、大好きだったよ
でも今は遥人なの。
私が辛い時にいつもそばにいてくれた人。
次の彼女には暴言・暴力はやめてあげてね。