NoName

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7/10/2024, 10:33:33 AM

 目が覚めるとまだ部屋は暗かった。いつもよりはやく起きたらしい。窓を見ると、磨りガラス越しに、朝焼けの空色が透けていた。
 宝箱を開ける気分で窓を開らくと、早朝のピンク色の雲が鮮明にうつる。そんな時間に起きるのは珍しくて、とても素晴らしいものが見れた気がして、しばらく近くに座り込んでいた。

7/9/2024, 12:36:27 PM

 先生曰くわたしは「誰も」信じていないらしい。自分の親すら信じることができていないのだという。
ストンと腑に落ちたことにびっくりした。
ただ、いくら長く一緒にいる人だろうとも、分かり合えない感情はあるんだから。全てを信じるのは無理だろう。そう思って母に、
「いくらなんでも全部相手に預けるのは無理あるよね、?」
と聞いたら、少しショックそうにしていた。
母にとっては目の前の相手によりかかるのは当たり前らしい。わたしは初めて、自分の当たり前が少し寂しいものなんだと自覚した。