27(ツナ)

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2/17/2026, 10:47:32 AM

お気に入り

この世に生まれて、お気に入りを何個見つけた?
お気に入りの洋服。
お気に入りの歌。
お気に入りの映画。
お気に入りの食べ物。
お気に入りの場所。

ただ好きになるのは簡単だけど、自分にとって特別な物になるのはそう簡単なことじゃない。
生きているうちにどれくらいお気に入りと出会えるだろうか?


2/16/2026, 11:07:54 AM

誰よりも 

初恋を覚えているだろか?
僕は忘れることはない。
誰かに恋に落ちて付き合って別れて、人並みに恋愛は経験してきた。
なんだかんだ落ち着いて結婚をして、子供も持てて、色々あったが満たされた人生だった。

そして今際の際。
最期の最期で思い出したのは、決して結ばれることはなかったけれど一番情熱的な恋をした初恋の人だった。
他の人に恋に落ちても、家族を持っても、誰よりも愛していた。
誰よりも。

こんな感情、早く忘れなければいけなかったのに僕は妻をこの腕に抱いている時も、尊い我が子を抱いている時でさえ。
初恋のあなたを想っていたんだ。
誰よりも。
愚かだと笑ってくれ。
でも、初めて恋を知った、あなたとのたった数ヶ月は僕の人生に深く深く刻まれてしまったんだ。

2/15/2026, 10:45:28 AM

10年後の私から届いた手紙

ある日、クラスで10年後の自分から手紙が届いたと話題になった。
最初は嘘だとかヤラセだとか信じる人はほとんどいなかった、けれどそれ以降クラスの子達に続々と未来の自分から手紙が届いた。
その不可解な出来事は次第に他のクラスにも広がっていった。

聞くと手紙の内容はごく普通で、「今どういう仕事をしている」だとか「結婚して子供が何人」だとか。

半年が経つ頃にはみんなに未来から手紙が届いていた。
私だけを除いて。
いくら待っても私にだけは手紙が届かなかった。
そして、薄々気づいた。
「10年後、わたしはもうこの世にいないんだ。」と。

2/14/2026, 11:22:41 AM

バレンタイン

女だけど、昔からバレンタインなんかこれっぽっちも興味がなかった。
チョコを誰かに作ってあげたり貰ったり。
この行為になんの意味があるのか。

今日この日の学校は校内がチョコの匂いだらけで気分が悪くなる。
渡り廊下で風に当たって気分転換していると。
「あ!いたいた、良かった〜。」
「?」
同じクラスの女子が私を探していたようだった。
「あのね、これ。良かったら食べて欲しくて。」
「なんで?」
「え?あ、…チョコ嫌いだった?」
悲しそうな顔をしたのを見て言い方がまずかったかと焦って訂正する。
「あ、いや、えっと…ごめん。実はチョコ苦手で、あの、せっかくなのに、ごめんね。」
「そっか……じゃあ、実はチョコ苦手な人のためにクッキーもあるから、こっち食べて!はい、あーん。」
用意周到だなぁ、なんて感心してるうちにポカンと空いた口にクッキーを放りこまれた
「ん。ん!美味しい!」
「美味しい?えへへ、よかった。」

あんまり関わりのない子だったけど、あの時の笑った顔と甘ったるいクッキーの味を忘れられない。
それから私は彼女のことを意識するようになって、なんとなくバレンタインの意味がわかったような気がした。

2/13/2026, 11:23:43 AM

待ってて
(※2/11「この場所で」、2/12「伝えたい」の前日譚)

7年前──
中学校の卒業式後、学校近くの小さな公園にて。

「好きです。…わたしと付き合ってください。」
少し間が空いて返ってきた返事は意外な言葉だった。
「俺も同じ気持ちです。…けど、すぐに付き合うことはできない。」
同じ気持ちだった喜びと付き合えないという言葉の意味に理解が追いつかず無言になる。
「先に夢を叶えてから、俺は必ず君を迎えに来る。だから待ってて欲しい。君のことを絶対に幸せにする。約束。絶対に約束を破らないから。…7年後の今日、この場所でまた会おう。」

真っ直ぐに見つめてくるその目を見て、本気なのが充分に伝わった。だから、
「7年後……。わかった。待ってるよ。」
目に涙を浮かべながらも心配かけないように笑顔で送り出した。


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