無季

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8/30/2024, 10:39:42 AM


       安いアパートの窓を
       雨が強く叩いている

       隙間から入り込んだ雨の匂いが
       嫌な言葉だけが飛び交った部屋に
       拡散していく
       
       言葉が上手く口から出ずに、
       喉の真ん中でぐるぐるしている

       痺れを切らして出ていく貴方
       乱暴に閉まったドアの衝撃で
       棚が揺れる

       音を立てて割れた香水の瓶
       貴方に選んで貰った大好きな匂い

       雨の匂いは、もうしない
       

8/29/2024, 3:04:16 PM




     筆をとって、色をのせる
     小さなカンヴァスの上
     落とした色のなんと艶やかなこと

     描いた風景は貴方と見たかった場所
     彩った思いは貴方に伝えたかった事
     絵の中にいる貴方は私の憧れ

     焦がれ続けて、届かなかった
     この世に二つとない一条の光だったのです

8/29/2024, 9:59:12 AM



     特別な日じゃないのに、
     会いに来てくれてありがとう

     綺麗なお花と美味しそうなお菓子
     とっても嬉しい

     どうか、泣かないで
     わたしには、どうしようもできないの
     
     あなたの隣にいるのに、
     なにもしてあげられない

     泣かないで、泣かないで。
     大切なあなた。 
     

8/27/2024, 3:00:38 PM



   あなたは、雨のなかで立っている。

   ぬれてしまって、
   さむくて、ふるえてる。 

   かたをふるわせて、
   雨がほっぺたを伝って落ちていく

   雨よ、雨。
   どうぞ止んでおくれ。

   わたしは、かさなどもっておりませんから、
   あなたにさしてあげられないのです。
   

8/26/2024, 10:41:00 AM



    日記を書こうとすると、
    いっとう、素敵な言葉で書きたくなる。  
    悩んで、悩んで。
    思いつかなくて、諦める。
    選んだ手帳もまっしろのまま 

    せっかく残すなら、
    嫌な気持ちじゃなくて
    嬉しかったことを残したい。

    そんなことを考えて、
    今日も増えるのは落ちたインクの染みだけ   

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