『 明日世界が終わるなら 』
明日世界が終わるなら「最期に君に会いたい」なんて言わないよ
いろんな喜怒哀楽を共に過ごして見せ合った
君の最期の感情ももちろん見たいと思うけれど
明日世界が終わるなら「最期に君に会いたい」なんて言わないよ
会えば僕は終わりを嘆き悲しみ怨むから
どうせ終わる世界なら君に会いたいなって思いながら逝きたい
『 誇らしさ 』
大会で好成績なヤツがいたら学校の誇りだとか。
すごい有名人がいて地元の誇りだとか。
正直、ピンと来ない。
だって凄いのはそいつで、自分じゃない。
どんな偉業を成し遂げたとしても、誇らしさは本人のもの。
あるいは、その偉業をサポートした存在たちまでのものと思う。
どっちにしろ、僕は大会で上位に入れる選手でもないし、有名人でもない。
『誇らしさ』なんて僕には縁のない話。
そう、思っていた。
でも僕は、今日初めて小さくて大きな『誇らしさ』を手に入れた。
―――君が僕を『すごい』と言ったから。
『 だから、1人でいたい 』
新しい街で暮らし始めて3ヶ月。
僕は、1人で過ごす時間が好きになった。
君はあの街に。
僕はこの街に。
容易く会える距離ではないけれど。
出がけに降りだした雨を。
青空に立ち上る入道雲を。
帰路に背負った夕焼けを。
ネオンより輝く星たちを。
新しい街で見上げながら、君の街まで続く空を想う。
そういう時間を、愛おしく想う。
ーーーだから、僕は1人でいたい。
『 空を見上げて心に浮かんだこと 』
“雨が降ると憂鬱だ”
何故、って言われるとよく分からないけれど、私もやっぱりそう思ってた。
「そういうものだって刷り込まれてるから、そう感じる」
そんなこと言うキャラクターを、どこかで見た気がするけれど。
自分以外の誰かが言った価値観だって、私がそう感じるなら私の想いだもの。
だから“雨が降ると憂鬱だ”って思ってた……けれど。
―――彼は、雨男だ。
毎日会える距離じゃない。
1年に一度会えるかどうかの、遠い憧れの存在だけれど。
彼を知ってから、雨降りの日は憂鬱じゃなくなった。
朝から降りだした雨空を見上げて、私は微笑む。
「ああ、彼は今日、絶好調に違いない」と。
『 終わりにしよう 』
「終わりにしよう」って言われて終わりにできるような想いなら、
そもそも終わらせられないほど囚われたりはしなかった。
だからきっとまだ終わらせられずに囚われ続けるだろう。
―――だけど。
「終わりにしよう」って僕に言ってくれる君を、
そんな時、傍にいてくれる君を、僕はまた好きになった。