繊細な花_58
‘’君が悲しい、と言うならば
私は今すぐにでも会いに行って
強く抱き締めよう。”
そう私が言ったあとの君の表情は
どこか物悲しい雰囲気を漂わせた。
何故そう悲しい顔をするのか
気になって仕方がなかった。
ある朝、散歩をした。
天気が良かったのと、
運動不足解消のためだ。
道端には
小さな青の花が咲いていた。
私はゆっくりとその花を観察した。
しばらく立ち、気づいた。
私は優しさと欲を履き違えていたのだと。
誰にも言えない秘密_57
君を好きでいることが
本当に幸せで、つらい。
この幸せが君も持ち合わせているようなら、
そこまでの辛さを感じることはなかった。
君は誰にも優しく、目を見て話し、
私を思って名前を呼んでくれたように思う。
でも、やはり
君にも運命の人はいたようだね。
可愛らしい、女。
少し頼りないけど話しも趣味も合う、男
じゃダメか。
また明日_56
今日も、君へのアプローチをする。
好きが溢れて、何にも集中できなくなる。
だが、俺は決めてるんだ。
絶対に言わない。
気になっている方はいますか、と。
また明日、いつも通りに
可愛い笑顔を見られるように。
理想のあなた_55
理想は何も喋ってない時も、
ああして手を握って笑ってくれる、あなた。
もうこれ以上にないくらいに理想だから、
あなたがこうなれば良いのになんて
言えない。
笑った顔も、手の温もりも、
優しさだけじゃなくて
胸が苦しくなるほどに、どきどきする。
だから、少し嫌なのよ。
恋は苦しいことが多いから。
それでも、やっぱり
あなたが好きなの。
恋物語_54
初めて貴方と2人きりになれたのは
友達が目配せをして
笑顔で帰ってくれたから。
一生懸命、大きな背中を追って
ベンチに座った。
貴方の優しい眼差しに、また心が奪われる。
一番趣味が合うのは君だな
なんて、冗談で言わないでよね。
余計に意識しちゃうじゃん。
いつもの少し毒舌なところも、
私の前では優しすぎる言葉なのが
また彼のことを好きにさせる。
今度こそ、アイス奢ってよね。