3/18/2024, 3:29:49 PM
寝る前に私は食器を洗う
水がはねない程度に
強めに蛇口をひねって
コップから皿、箸、フライパンと
泡に包ませ一気に水に流す
シンクの泡がすべて排水溝にくるくると
吸い込まれたのを確認して
蛇口を止めハンドクリームを塗る
そんな別に大した事ない
淡々とした行動に
この世界の不条理に苛立つこころが
少しだけしぼむ
朝起きて乾いた食器と
さらさらな手に安堵して
昨日の自分にちょっとだけ感謝する
不条理
3/17/2024, 12:54:57 PM
気づいたときには
僕は頂点で
君を捕らえ食べ
また次の君を探す毎日だった
いつか僕が飢えて分解されて
新しい芽が咲くときには
小さな白色の花でありたいと願う
弱音を吐くのは君に対して失礼だから
今日も堂々と歩き
幸福で残酷な役割を全うする
僕の終わりがやってくるその日まで
ずっと
泣かないよ
3/16/2024, 1:07:50 PM
終わることを想像して
始めることせず
さようならという意味で
ありがとうと言い
ありがとうと返す
それが私たちの共通言語だった
怖がり
3/15/2024, 1:57:28 PM
通学路をちょっと外れた学校の帰り道
おばあちゃん家のあまり入ったことのない部屋
文房具がたくさんある本屋さんの片隅
ちょっとどきどきして
なんだかきらきらして
時間はどこかに忘れてしまった
わたしのときめきの宇宙
今、私は星か飛行機かもわからない
ぼんやりときらきらした空を見上げている。
そしてそっと目を閉じ、
いつもより優しく息を吸う。
星が溢れる
3/14/2024, 12:33:18 PM
魚は水の中で
どのような世界が見えているのだろう。
照らされた光が、
ゆらめいたりしているのだろうか。
狭く広い水槽の右下にいる君の瞳は
変わらず落ち着きを払い続けている。
いろんな角度から向けられる
私達の瞳はどのように映っていますか。
どこまでも深く安らかな瞳に
水槽は反転する。
安らかな瞳