神埜

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8/27/2023, 9:19:00 PM

#雨に佇む

雨が降ってきた。

先程まではからりと晴れていたというのに。

ザァザァと雨が空から落ちてくる。

この音を聴いていると、この世に自分一人しか居ないのではないか、なんて馬鹿げた考えが頭を占める。

走って帰った方が速いかな。

僕は、買ったものを自分の服の中に隠して雨の中に飛び出した。

8/26/2023, 4:49:55 PM

#私の日記帳

私の日記帳には、あなたと二人の思い出が沢山書かれているの。

初めて会った日、初めて2人で会話をした日、告白されて付き合い始めた日。デートをした日、初めてをあなたに捧げた日。あなたに、別れを告げられた日。

だけどね、お別れだけは考え直してくれたみたいで良かった。ってとても安心したのよ。

あなたと二人でこれからも生きていきたいの。
だから、私を捨てようだなんて、今後一切考えちゃ、だめよ?

幼子を諭すようにそういった彼女の瞳はとても淀んでいて、とても"彼氏"に向けるような顔ではなかった。と、彼女の元彼の手帳に書かれていた。

その日記が書かれた日以降に、彼が今どこにいるのか、知っているものは居ない。

8/26/2023, 3:37:49 AM

#向かい合わせ

君と机を挟んで向かい合わせに座る。

久方ぶりの君との食事。

楽しみで楽しみで、出汁から取って君の好きなものを沢山作ったんだよ。

それなのに、君は一言、「いらない。」だって。

「俺はお前以外に好きな人が出来た。別れてくれ。」

なんて残酷なんだろう。

君と付き合って早5年。君が待っててと言ったから、結婚の話も出さなかったのに。
ねぇ、知ってる?私もう三十路なんだよ?
君のわがままに付き合ってここまで待ったのに、好きな人が出来た?

はは、許さない。許せるわけ、ないよね。

殺してやる、殺してやる、殺してやる!!

交際相手を殺した女性の日記。これ以上は黒く塗りつぶされて読めなくなっていた。

8/24/2023, 3:10:06 PM

#やるせない気持ち

今日は君の誕生日。

だからという訳でもないけど、偶にはぼくが家事を全部やってみようと思ったんだ。

君は今日も仕事だと言うから、僕は一日有給をとって、普段半分こしてた家事を、やってみた。

掃除や洗濯に、誕生日のご馳走作り。
とっても疲れたよ。

だけど、君はいつも僕の倍以上やってくれてたんだね。それに気づいた僕は、なんて不甲斐ないのかとやるせない気持ちになったよ。

ごめんね、いつもありがとう。
これからはもっと家事をするよ。君だけに負担が行かないように。君と同じかそれ以上にやってみせる。
だから、僕を見捨てないでね。

8/23/2023, 9:36:04 PM

#海へ

海へ行こう。そう言い出したのは僕か君、どっちだったかな。

暑い夏の日のこと。

あの日に海に行かなければ、僕は体が動かなくなることはなかった。

君と、永遠の別れになることなどなかった。

だから僕は、海が、夏が嫌いだ。

君との別れの原因になった時期だから。

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