#鳥のように
鳥のように空を自由に飛べたらどれだけ楽しいだろう。
いつか、自分の足で色んなところに行けたらいいな。
だけど、それはきっと叶わない夢。
いや、叶うかな?
僕が死ねば。
毎日、真っ白いベッドの上で寝転んで、窓の外を眺める。
あぁ、鳥になりたい。
#さよならを言う前に
さよならを言う前に君は僕の前から消えてしまった。
昨日も面会時間ギリギリまで居座って君と話してたのに。君の体調の変化に気付けなかった。
「さよならぐらい、言わせてよ、、。」
僕に黙って逝った君。
この罪は重いよ。だから、きっとそちらで待っていて。
君の知らないこと、知らないもの沢山思い出として持っていくから。
その話を聞き終えるまで、君を離さないから。
僕が死ぬまであと何年かな。
待っててくれなきゃ許さないからね。
#空模様
夏の空模様は不安定。
雨が降ったかと思えば、次の瞬間にはカラッと晴れる。
晴れてたかと思えば、狐の嫁入りや夕立にあう。
ジメジメした日にカラッとした日。
移ろいゆく空模様に私はてんやわんやと転がされる日々。
毎日カラりと晴れてくれれば、過ごしやすいのに。
行ってきます。今日はきっと晴れますように。
そう独りごちて、私は今日も家を出る。
#鏡
鏡よ、鏡よ、鏡さん?世界でいちばん美しいのは、だーれ?
小さい頃、白雪姫に触発されて、鏡は喋るものだと思ってた。
何回も何回も、毎日鏡に喋りかけては答えのない日々。
何度、枕を涙で濡らしただろうか。
いつの間にか諦めて、鏡に話しかけることも無くなった。
それは、私が1歩大人になった証。
#いつまでも捨てられないもの
高校最後の部活の日。
後輩からお疲れ様でしたと言われ渡された、色紙と記念品のハーバリウム。
手作りだというハーバリウムは、確かに素人が作ったのが分かるような出来栄えだったけど、わざわざ自分たちのために時間を掛けて作ってくれたのかと思ったら、未だに捨てられない。
ある意味、呪いだよね。