#終わりにしよう
さぁ、終わりにしようか。
俺の前で刀を構えてそう言った男は、スタスタとこちらに近づいてくる。
俺が、俺が何をしたって言うんだ!!
ただいつも通り終電で帰ってきたら、家の中はぐちゃぐちゃで、愛しの妻も子供も物を言わぬ亡骸になっていて、この男が1人、血の海の中に立っていた。
出来ることならば、こいつに一矢報いたかった。
ごめんな、お前たち。こんな不甲斐ない男がお前たちの家族で。
もしも、来世があるならば、また家族になって欲しい。
そこで俺の意識は途切れたのだった。
#手を取り合って
これからは僕ら2人手を取り合って生きていこう!
そんな言葉で終わる物語を見かける度、楽しんでいたはずなのにスっと冷めてしまう。
あぁ、なんてつまらない言葉なんだろう。
手を取りあったところで、相手と自分は別の人間なのだといつ、どこで気づくのだろうか。
そこで離れることになることだってあるだろう。
だからか。今言葉にする為に、頭の中を整理してわかった。
手を取り合う。その言葉は僕にとって意味をなさないんだ。
だって、裏切られてばかりの人生だから。
手を取り合うという行為の意味が、言葉の重みが感じられないんだ。
#優越感、劣等感
みんなの人気者、でも友達を作らない君と友達になれた事で僕を見下してた人間たちへの優越感に浸ってた。
だけど、君は勉強も運動もできて、性格まで良くて、友達が少ない理由も、大切な友人1人1人を大切にしたいから、だなんて照れ臭そうに笑った君を見て僕はなんて浅ましいのかと、劣等感を感じるようになったんだ。
#これまでずっと
これまでずっと我慢してきた。
親が友達なんか要らないと言ったから、友達は居ない。
お菓子もカップラーメンも他にも色々。
親がダメだと言ったから我慢、我慢、我慢。
なんで僕だけこんなに我慢しなきゃいけないの?
ねぇ、お義父さん、お義母さん。
あなた達が事切れる前に教えてよ。
#1件のLINE
また一緒に行こうね!
君からのLINEはこれが最後。
あれからもう1年が経つよ。
早く目覚めて、眠り姫。