な子

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4/2/2025, 8:23:07 PM

空に向かって


夜空に向かって手を伸ばす。
けれど星には触れられない。
「おかあさんは星になった」
父はそう教えてくれたのに。
どうして届かないの?
どうして触れないの?
どうして会えないの?
ぼくは二階の窓から手を伸ばし。
そのまま地面へと落ちた。
幸い、下が地面だったため怪我はなかった。
ただ落下中にぼくは見た。
おかあさんの姿を。
今日もぼくは飛ぶ。
街の一番高いところから。
おかあさんに、会いたくて。

4/1/2025, 2:36:42 AM

またね!

「またね!」
遠ざかっていく君の背中。
僕は返事をしなかった。
だって、もう会えないから。
君は生きて、ないから。
「幸せなじじいになれよ」
君は言って、消えた。

3/28/2025, 2:47:31 AM

春爛漫

桜吹雪で、思い出す。
春爛漫な君の笑顔を。
君は怒っているかな。
突然、別れを告げて。
でも仕方がないんだ。
僕には先がないから。
君の幸せだけが、僕の幸せなんだ。
もう二度と会えないけど。
元気でね。

3/26/2025, 8:48:22 PM

七色

残ったのは七色だった。
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。
私は藍を選んだ。
だって愛に聞こえたから。
先生がくれた藍色のお守り。
どんな願いでも叶えてくれるとか。
ねぇ、先生。
あなたへの恋心も叶いますか?

3/25/2025, 8:59:18 PM

記憶

記憶の奥に眠る夢。
叶わないと諦めた夢。
きっかけはわからない。
ただ思い出してしまった。
忘れられれば良かったのに。
私は今日も明日もここにいる。
人生を削って物語を書いている。
読者のことなんて考えることなく。
書きたいものだけ、書き続けている。
どうか、この物語が、届きますように。
画面の向こうにいる君に届きますように。

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