NoName

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7/14/2024, 5:39:51 AM

どうしようもない劣等感。
幸せに眠っていた深夜、目を覚ましてしまった。
いつの間にか汗をかき、べったりと服が肌に吸い付いて気持ち悪い。でも、着替える気力はなかった。
というか、そんな考えなかった
他人の方が何もかも、圧倒的に優れている
自分には何もない、と言う事実が自分の頭に拳銃を突きつけている。
自分の生死が劣等感に握られている。自分で死を選ぶことすら出来ない。
ポタリ、涙か汗かわからない液体が頬を通り、掛け布団に染みていく。
同時に、喉の奥から何かが込み上がる。
「ぅ、え…」
急いでベットから下り、トイレに向かう。
電気もつけないで便座の蓋を開け、ゲボを吐く。
苦しい。辛い。でも死ぬ勇気もない。
最初から、居なかったことにしてほしい。
力尽き、壁に横たわる。口回りについたゲボを拭く気力もない。
そのまま、体操座りになって目を閉じる。

数時間ほどたっただろうか、おぼつかない足でリビングに向かう。
窓からお天道様がこちらを見つめる。
たしか、今日は雨の予報だったはず。最悪だ
今日の予定が全て潰れた。
怒りに任せてテレビをつける。
殺人鬼のニュースがやっている。人を殺して、尚逃げ延びているらしい。
…心臓がじんわりと暖かくなる。自分よりも堕ちた人がいる。優越感。
そんな出来事から、今日が始まる。
明日もきっと、こんなことが起こる。我ながら、性格が悪く、意地汚い。
でも、生きれるならそれでもいい。
死んでる人はただの屍だから、