NoName

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5/18/2023, 4:33:34 PM

 甘酸っぱくて、胸を躍らせるような。誰もが当たり前のように思い描ける恋物語-ロマンス-なんて要らない。

 眩い輝きと仄暗い欲を内包して、己の醜さを曝け出してでも手に入れたいと思えるような激情に、
 愛って名前が付けば、それで。

5/17/2023, 12:43:59 PM

 月明かりは好きだ。
 月の輝く夜は、ほんの少し、カーテンを開けて眠りに就く。
 本当は夜空を眺めていたいけど、朝日は眩しいから。
 輝きに、目を灼かれてしまうから。

 月も無く、星も瞬かない夜は、部屋の隅の常夜灯を点けて眠りに就く。
 夜目の効かない臆病な自分が、暗闇に怯えずに済むように。

 目が覚めた時、光が失われていないように。

5/12/2023, 10:22:03 AM

 子供のままでいられたらなんて、そんなの戯言だ。
 僕らは歳を重ねる毎に何かを識り、無知や無垢なんてものから遠ざかって行く。
 そのまま成長することなんて出来ない。
 変わらずにいることなんて、出来ない。

 それでも僕らが過去を羨むのは。
 帰りたいと願ってしまうほどの幸福が、確かにそこにあったから。

5/12/2023, 9:22:43 AM

 叫んで伝わるものなら、どれだけ叫べば良かったんだろう。
 先人の偉大な言葉を借りても、この世界の全ての言葉を尽くしても、きっと君には伝わらない。
 僕がどれだけ君を愛しているかなんて、きっと君には伝わらないから。